リコー ペロブスカイト太陽電池を搭載した庭園灯の実証が東京都の事業に採択

リコー 2024年12月4日発表


 リコーは、ペロブスカイト太陽電池を搭載した庭園灯の実証事業が、このたび東京都の「令和6年度 次世代型ソーラーセル社会実装推進事業」に採択されたと、12月4日に発表した。

 都の事業は「薄く、軽く、曲がる」という特徴を持った日本生まれの太陽電池である「次世代型ソーラーセル(ペロブスカイトと呼ばれる結晶構造を用いた太陽電池)」の実用化に向け、開発事業者に対し実証費用の一部が補助されるものである。
 リコーは、複合機の開発で培った有機感光体の技術を応用し、低照度の室内光でも発電する固体型色素増感太陽電池「RICOH EH DSSCシリーズ」を2020年に世界で初めて販売した。また、この研究開発で培った技術を用いて、ペロブスカイト太陽電池の開発を進めている。
 今回採択された事業では、照度の低いエリアや垂直設置でも発電効率が高いという特徴を持つペロブスカイト太陽電池を搭載した庭園灯を、都内に30本程度設置する予定である。屋外設置の庭園灯の電源としてペロブスカイト太陽電池の発電量や耐久性を検証する。さらに、インクジェット技術で作製したペロブスカイト太陽電池も本実証事業内で検証を予定している。同社は、この技術により高生産性・低コストの実現が可能になると考えている。今回の実証事業を通じて、ペロブスカイト太陽電池の早期事業化を目指す。