シェアリング機能付きハイブリッド蓄電所のビジネスモデル開発を開始
NR-Power Lab/大和エナジー・インフラ/日本ガイシ/リコー 2024年6月13日発表
日本ガイシとリコーおよび大和エナジー・インフラは、日本ガイシとリコーの合弁会社NR-Power Labを通し、シェアリング機能付きハイブリッド蓄電所(StorageHub)を活用したビジネスモデルの開発を開始すると、6月13日に発表した。
NR-Power Labは各社の知見・ノウハウを結集し、StorageHubの建設から運営、サービス提供までをワンストップで提供するビジネスモデルの実現を目指す。
NR-Power Labが実証を通し実現を目指すStorageHubは、蓄電所内の蓄電池を需要家でも利用可能なように設計し、最もニーズの高い場所に速やかに移設し活用する。蓄電池ユーザーの初期投資の負担低減のみならず、電力市場の制度変更による投資回収への影響、長納期化による機会損失などのリスクの最小化を実現する。また、大容量で長寿命が特性のNAS電池と、高出力でシステムサイズの可変性が高いリチウムイオン電池のハイブリッド蓄電池システムとすることで、蓄電所から大小需要家設置まで、幅広いシーンのさまざまなニーズに対し、速やかに応えることが可能である。
NR-Power LabはStorageHubを活用したサービスの提供に向け、日本ガイシ、リコー、大和エナジー・インフラの技術、サービス、投資の知見・ノウハウを融合したビジネスモデルの構築を目指す。日本ガイシと大和エナジー・インフラでStorageHubを保有管理する会社設立を視野に、NR-Power LabのVPPシステムを介して、再生可能エネルギーの出力抑制の回避などのニーズに対し、蓄電機能のみを提供するアセットフリー型のサービスを想定している。本スキームの開発に向け大和エナジー・インフラは資金の一部を提供するとともに、これまでの再エネ・インフラ投資の知見を活用し、StorageHubの事業化を支援する。
NR-Power Labが開発・構築を進めているVPPシステムは、人工知能(AI)と世界初の分散型ID活用により、信頼性とコスト低減を両立する独自システムである。本システムで、StorageHubや需要家に移設した蓄電池を統合制御し、電力小売事業を全国展開するリコージャパンの顧客向けサービス提供や、地域新電力各社との共創を深化する。
NR-Power Labは現在、StorageHubの運用に向け、岩手県内に建設予定の太陽光発電所に併設する実証機を活用し、NAS電池とリチウムイオン電池のハイブリッドシステムの協調制御システムの開発を進めている。加えて、リコー環境事業開発センター(静岡県御殿場市)にもNAS電池を設置し、7月から実機でのVPP実証を開始予定である。