「リコー リライタブル レーザーシステム」が食品業界で初採用 コンテナの紙ラベル貼り替え作業が不要に

リコー 2023年6月5日発表


 リコーは、ユアサ商事と、非接触で繰り返し書き換え可能なリコー リライタブル レーザーシステム「RICOH Rewritable Laser System L3000 / C3000」を搭載しユアサ商事が開発した自動化ラインが、米飯・惣菜製造を行う企業の埼玉県の惣菜工場に導入され、DXを通じたコンテナのラベル運用の大幅な省人化・作業工数削減に貢献したと、6月5日に発表した。

 本ラインは、関東1都6県に120店舗以上を持つスーパーマーケットチェーンに惣菜を供給する工場(埼玉県)の米飯ラインに導入された。このラインは、これまでコンテナに人手でラベルの貼り替え作業を行っていたものを、リコーで開発したラベルを活用することで、文字のみを書き換えられるようにしたシステムである。これにより、従来人の手に依存していたラベル剥がし工程の自動化を実現し、年間約15万箱に付ける紙ラベルの貼り替え作業と紙ごみの削減、3分の1の省人化に成功した。また、紙ラベルのコストの年間約50万円を含め、年間約850万円のコストダウンと、省資源化にも貢献した。
 本ラインの導入により、ラベル剥がし自体が無くなるため、ラベル剥がしに伴う容器汚れの除去や、ラベル脱落や紙紛による異物混入リスクが大幅に低減でき、厳しい衛生管理が求められる現場でのメリットが大きく、今回の食品工場への初導入にいたった。

工場に導入された「RICOH Rewritable Laser System L3000 / C3000」を搭載したユアサ商事開発の自動化ライン

 リコー リライタブル レーザーシステムは、非接触で約1,000回のラベル書き換えが可能なリコー独自技術を用いたシステムである。従来、プラスチックコンテナなどの通い箱には、送付先や配送要件が印字された紙のラベルの貼り替えを行う必要があった。本システムは、通い箱にリコー独自のラベルを貼ったまま、繰り返し書き換えることが可能となり、ラベルの貼り替え作業や使用後のラベルの廃棄作業の解消によるラベル運用のDXと環境負荷低減を同時に実現できる。
 今回の工場では、紙ラベルの貼り替えは人手がかかり、自動洗浄機などを導入しても剥がし残りや汚れを取り切るのに時間がかかり、多くの人手とラベルのコストがかかっていた。そのような課題に対して、リコーとユアサ商事は、「RICOH Rewritable Laser System L3000/C3000」、コンベア、電気制御等を含めたシステム化・自動化ラインを開発し、採用にいたった。

従来の紙ラベル
新システムのラベル

【「RICOH Rewritable Laser System L3000 / C3000」の特徴】
 レーザーによる非接触記録方式のため、ラベルを対象物に貼り付けたまま高速印字/消去が可能。リコーの独自技術により、配送センターや生産工場の現場で要求されるタクトタイム(工程作業時間)に対応できる印字/消去を実現。
 専用のリライタブルレーザーラベルは、レーザー印字方式の特徴を活かした層構成にすることで、上層に厚い「UV・酸素」遮断層を形成し、印字表示を劣化させる紫外線と酸素を高レベルで遮断。直射日光及び酸素による劣化を防ぎ、屋外環境での長期間使用を実現した。

 なお、本システムは6月6日(火)から9日(金)に東京ビッグサイトにて開催されている「FOOMA JAPAN 2023」に出展している。