NECファシリティーズ 工場施設運営の体験型研修施設を新設

NECファシリティーズ 2023年3月30日発表


 NECファシリティーズはこのほど、体験型の社員向け研修施設「FM-Base(エフ・エム・ベース)」をNEC我孫子事業場(千葉県我孫子市)に新設することを決定し、2024年5月の稼働開始を目指す。
 同社は、半導体・電子部品、医薬品、化学などの工場施設運営のアウトソーシングを行っており、これを支える人材の早期育成を目的に本研修施設を新設する。同社は、「FM-Base」を施設運営に関わる受託ビジネスの拡大を目指す重要拠点と位置づけ、熟練技術者の運用ノウハウを伝承するとともに、DXによる価値評価・検証も実施する予定である。

体験型研修施設「FM-Base」(イメージ)
体験型研修施設「FM-Base」(イメージ)

■背景
 中長期的な需要拡大が予測される電気自動車(EV)や蓄電池向けに使われるパワー半導体を筆頭に、半導体・電子部品やその関連産業は製造拠点を国内に移転する動きがある。これにともない、工場の建設・拡張工事や施設の管理・運用を担う人材の需要が高まる一方で、知見を有する熟練者の高齢化などの課題が顕在化している。
 NECファシリティーズは、半世紀の間、半導体・電子部品の製造工場を中心に施設運営の知識・ノウハウを有する人材を育成し、顧客の工場・施設を運営するアウトソーシング事業を展開してきた。このような状況のもと、同社は、人材育成を従来のOJT(On-the-Job-Training)より短縮する必要があると判断し、本研修施設の新設を決定した。

■FM-Baseの特長
(1) 従来のOJTと比べ、習熟期間を半減
 今回のFM-Baseでは、実際に工場で使用されているクリーンルーム・空調・純水製造・排水および薬品供給などの設備を配置する。そのため設備間の関係性を理解した上で施設全体の管理・運用方法を習得することができる。また長年に渡り、様々な工場でノウハウを身に着けた熟練者の経験をもとに体験型の教育プログラムを開発する。
 実際に各設備で異常状態を再現し、様々な要因から原因を特定することで、復旧する手順を繰り返し訓練することができるため、効率よく学ぶことが可能である。これにより、従来手法のOJTと比べ習熟期間の半減を見込んでいる。

(2) DX開発と省エネを意識した工場の取り組みを加速
 今後の製造業においては、設備の効率的な運転、DX導入による省人化、省エネを意識した工場の管理・運用が求められる。FM-BaseではNECの様々なソリューションも活用し、DX化の取り組みを加速する。

■今後の展開
 NECファシリティーズは、ものづくりの国内回帰を目指す製造業を支援し、将来的には、DX導入による省人化や省エネ(カーボンニュートラル)対応などの社会課題にも応えられる人材育成をリードしていく。同社は、顧客の工場のライフサイクルマネジメント(Factory Life Cycle Management)にTotal IFM(Integrated Facility Management)で貢献し、総合的な課題解決を提供していく。