JEITA AV&IT機器の世界需要動向を発表

 (一社)電子情報技術産業協会(JEITA)のAVC部会は、2月22日、『AV&IT機器世界需要動向 〜2027年までの世界需要展望〜』を発行し、AV&IT機器の世界需要動向を発表した。
 本調査は1991年より継続して実施しており、今回で33回目となる。外部機関にて策定した2027年までの需要に関する数値をベースにAVC部会をはじめとした関連事業委員会参加会社を対象としたアンケートおよびヒアリング調査の結果を取りまとめて推計している。

■主な品目の世界需要動向
《フラットパネルテレビ》
 2022年の世界需要は前年比3.5%減の2億1,422万6千台となった。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行の影響が弱まりつつあり、新興国では個人消費が活発化して需要が増加している一方で、ワクチン接種が進んだ北米や欧州では在宅時間が減少したことで需要が減少している。また、半導体不足が2022年前半に深刻化し、生産減や供給停滞に影響したことから、世界市場全体では2022年の需要は減少となった。
 今後は、先進国でスマートフォンによる動画視聴との競合が強まり、2023年の世界需要は前年比2.2%減の2億942万8千台で微減が見込まれている。新興国では経済回復とともに需要が増加するが、映像機器の多様化や増加により、テレビを1家庭で複数台所有する必要性が減少しており、世界全体では微減に推移する見通し。
 2023年の日本国内の需要は483万8千台(前年比5.2%減)で、今後も需要の減少傾向が続くと見込まれる。

《パーソナルコンピュータ》
 2022年の世界需要は前年比14.8%減の2億6,150万台となった。2020年から2021年にかけてCOVID-19感染拡大によりリモートワーク向けノート型の需要が増加したが、その多くが需要の前倒しであったことから、2022年は反動による需要減少に転じた。また、特に中国における都市ロックダウンや部材価格、物流費高騰などを背景とした製品価格見直しによる買い控えも需要減少に影響を与えた。
 2023年は需要の減少が続き、世界需要は前年比7.8%減の2億4,100万台が見込まれている。2024年以降は、2019年から2020年にかけて発生したWindows7サポート終了による需要増や、2020年から2021年にかけて発生したリモートワーク関連需要増加の買い替えサイクル期にあたることから、増加傾向に転ずると見込まれる。
 2023年の日本国内の需要は935万台(前年比1.1%減)で、リモートワーク普及によりノート型への需要シフトが進行していることからデスクトップ型の需要は減少が続くと見込まれるが、ノート型については2023年に前年比0.7%増で増加に転じ、以降もGIGAスクール構想関連需要の買い替え(2025年以降に本格化を見込む)などにより増加傾向が続く見通し。