JEITA 電子情報産業の世界生産見通しを発表 世界生産額1%増で過去最高更新

 (一社)電子情報技術産業協会(JEITA)は、電子情報産業の世界生産見通しを12月15日に発表した。本調査は、2007年より継続して実施しているもので、世界の電子情報産業の生産規模をデータにより明確にするとともに、世界における日系企業の位置づけを把握することを目的として、会員各社を対象としたアンケート調査の結果を取りまとめて推計している。

 電子情報産業の2022年の世界生産額は、対前年比1%増となる3兆4,368億ドルが見込まれている。巣ごもり需要の反動減や消費の減速により、電子機器ならびに電子部品・デバイスはマイナスとなった一方、自動車・産業部門を中心としたデジタル化の進展やデータ利活用の高度化・自動化によるソリューションサービスの好調が下支えとなり、微増を堅持する見込みとなった。
 2023年は、ウクライナ情勢の長期化懸念など世界経済の不透明感は残るものの、各国での景気対策やデジタル変革に向けた投資拡大によるソリューションサービスのさらなる伸長が見込まれ、またカーボンニュートラル対応向けの需要などによる電子部品の伸長が期待されることから、世界生産額は前年比3%増の3兆5,266億ドルとなり、過去最高の世界生産額を更新する見通しである。

 2022年の海外生産分を含む日系企業の世界生産額は、対前年比8%増となる39兆4,837億円が見込まれている。巣ごもり需要の反動減はあるものの、円安により海外での価格競争力が向上したデジタルカメラやプリンター、電気計測器などがプラスに推移し、また自動車の電動化や電装化率の向上を背景に電子部品・デバイスの搭載数が増加、円安での底上げもあって輸出が好調に推移していることが要因である。国内生産額は前年比2%増の11兆1,243億円で、2年連続の対前年比プラス成長となる見込みである。
 今後は、新たな価値を生み出し経済成長の源泉となるデジタル変革に向けたソリューションサービスでの需要拡大が見込まれることから、2023年の日系企業の世界生産額は、前年比3%増の40兆7,599億円を見通した。国内生産額は、前年比3%増の11兆4,029億円と見通している。