キヤノン 第60回 技能五輪全国大会の2職種で3選手が銅メダル獲得

 キヤノンは、10月30日から11月7日まで幕張メッセなど3会場で開催された第60回 技能五輪全国大会において、「フライス盤」で甲斐祐紀選手、「電子機器組立て」で武田陽花選手と前田公太選手が銅メダル(銅賞)を獲得したと、11月8日に発表した。前田選手は、昨年に引き続き2度目の銅メダル獲得になる。

銅メダルを獲得した3選手
(左から、武田陽花選手、前田公太選手、甲斐祐紀選手)

 甲斐選手が銅メダルを獲得した「フライス盤」職種は、5時間5分(加えて延長15分)以内に、穴・溝・勾配・段・ボスなどの加工要素が盛り込まれた4つの部品で構成される課題を製作する競技である。課題内容は3カ月前に公開され、競技日に向け、最適な加工方法や加工手順を検討して臨む。競技では、汎用フライス盤のみで0.01mm以下の高精度な加工を行う。この職種には、読図、切削加工の技能に加え、限られた時間内に課題を完成させる段取りや測定の技能が求められる。
 また、武田選手と前田選手が銅メダルを獲得した「電子機器組立て」職種は、(1)プログラミング(C言語)、(2)試作設計、(3)故障発見・修理という3つの課題を3日間にわたって競う。それぞれの課題は、競技を行う当日に公開される。電子回路の設計・解析はもちろん、CADやプログラミング、障害解析や修理など、広範にわたる技能が求められる。

 キヤノンでは、人を育てることこそがものづくりの基本と考え、1959年に、現在の「ものづくり推進センター」の前身となる「技能研修所」を設立し、ものづくりを支える技能者や技術者の育成に努めてきた。そして、2016年2月には、「ものづくり人材育成の総本山」としての機能を持つ新棟を取手事業所内に設立し、さらに高度で充実した研修環境と人材育成制度を構築している。
 キヤノンは、若手技能者育成の一環として、2004年の第42回大会から技能五輪全国大会に参加しており、2005年の第43回大会から18年連続で入賞している。今年は、キヤノングループから4職種に13名が出場し、銅メダル(銅賞)3件、敢闘賞4件の合計7件の賞を受賞した。