東芝テック 生産性向上と食品ロス削減に リアルタイム在庫情報サービスの実証実験開始

 東芝テックは、愛知県を中心にスーパーマーケットを展開する(株)トップワン、流通小売業向けクラウドサービスなどを展開する(株)サイバーリンクスとともに、トップワン店舗にて商品発注や品出し作業の効率化などの生産性向上および食品ロス削減を目的としたリアルタイム在庫情報サービスの実証実験を9月21日より実施すると、同日発表した。

 現在の流通小売業の多くは、2000年以前に考えられた基幹システムの仕組みが使われ続けているケースもあり、商品のリアルタイム在庫情報をシステム上で把握することが困難で、発注、品出し作業時に該当商品の在庫情報把握のために、バックヤードにて人手による確認を行うなどの作業が発生していることが大きな課題となっている。
 今回の実証実験では、商品の在庫および販売情報をリアルタイムで蓄積する「リアルタイム在庫基盤」を開発する。POSシステムの売上情報や配送センターからの納品情報、商品の移動・返品・廃棄などの変動情報等を「リアルタイム在庫基盤」で一括管理することにより、各商品の在庫を瞬時に把握することが可能となる。
 「リアルタイム在庫基盤」の実現にあたっては、東芝テックのクーポン発券クラウドサービス「テッククーポンデリ」、トップワンの基幹システム、サイバーリンクスの流通小売業向けクラウドサービスと当該基盤とを連携する。また、食品ロス削減クラウドサービスとも連携し、リアルタイム在庫情報に基づいて最適な見切り指示を行うことにより、食品ロス削減が可能となる。

【本実証実験について】
実施店舗
 (株)トップワンが愛知県を中心に展開する「トップワン」全店
 ※食品ロス削減に関する実証実験については「トップワン」春日井店のみで実施
実施期間
 2022年9月21日より
内容
 (1) リアルタイム在庫情報参照による生産性向上の検証
   商品在庫情報参照による作業の効率化を数値検証
    (棚欠品によるチャンスロスの削減、在庫適正化による過剰在庫の抑制と見切り・廃棄ロスの削減、品出しの無駄な動きの抑制等)
 (2) リアルタイム在庫情報と過去の販売条件解析(AI)による適正見切り額推奨によるロス削減
   過去の勘とルールに頼った見切り実績とシステムが提示する見切りによる改善額の検証
今後の展開
 東芝テックは、小売業へのDX支援を進めることを目的として、実証実験を通した仮説検証を進めていく。