Sansan　八海醸造がクラウド契約業務サービスを導入　契約書を一元管理

　Sansanは、清酒「八海山」などを製造する八海醸造がクラウド契約業務サービス「Contract One」を新たに導入したと、6月20日に発表した。八海醸造は、今回の導入によって、従来は少人数の法務担当者が対応していた契約管理をグループ全体で共有し、業務効率化を図るとともに、多重契約や契約更新漏れなどのリスク管理を強化するための体制を構築する。

　八海醸造は、清酒「八海山」の製造、焼酎、梅酒、麹甘酒、ビール、また関連会社においてウイスキーやジンなどの製造を行っている。ラインアップが多岐にわたることから、製造や販売などの機能ごとに分社化して事業を行っており、契約業務はグループ全社の案件を集約して持株会社の法務担当が担っている。全グループ会社の契約書の作成から保管・管理までを少人数で担当しており、ほぼ全てが紙の契約書で運用されているため、過去の契約書を確認する場合や、監査で締結済みの契約書が必要になった場合などの対応に時間がかかっていた。また、契約の期限管理についても、台帳の作成やアップデートまで少人数の法務担当だけでは対応しきれないことで、拠点ごとに独自の管理体制が取られ、グループを横断した一元管理の方法が定まっていなかった。そのため、グループ全体で契約更新漏れや多重契約などが発生するリスクをはらんでいることが経営上の課題となっていた。
　今回、八海醸造は、契約業務の効率化とリスク管理体制を強化するために、グループ全体での契約管理を可能とするサービスの導入を検討し、クラウド契約業務サービス「Contract One」を導入した。

●紙の契約書を正確にデータ化し、検索しやすい状態で一元管理
　Contract Oneは、紙の契約書を代理で受領し、正確にデータ化してクラウド上に保存する。Sansanが培ってきたデータ化技術を基に、どんなフォーマットの契約書でも正確にデータ化することが可能である。また、データ化された契約書は、契約内容や日付、契約企業名など多様な項目で検索できる状態で保存される。
　八海醸造の契約業務は、主に紙の契約書で運用されているため、Contract Oneを活用することにより、過去の契約書が必要になった場合でもすぐに見つけることができるようになる。
●グループ横断での契約管理によるリスク管理
　Contract Oneは、企業・グループ全体で使用することが可能で、発行するアカウント数の上限がないため、ユーザー企業は追加費用を発生させることなく、グループ全体で契約書を一元管理することが可能である。そのため、グループ全体で契約期限などのステータスを管理できるほか、過去の契約内容を確認することも可能である。
　これにより八海醸造は、法務担当に過度な負担をかけることなく、更新漏れや多重契約による予期せぬ費用負担といったリスクを適切に管理することが可能になる。また、事業部が過去の契約書を確認する必要がある場合も、都度法務担当に問い合わせをすることなく、Contract One上で内容を閲覧することができるようになる。
●共有範囲グループ設定機能による機密管理
　Contract Oneには、「共有範囲グループ設定機能」が備わっており、機密性の高い契約書の公開範囲を制限することができる。Contract One上で閲覧権限のある社員を登録した「グループ」を設定し、契約書の公開範囲を該当グループのみに限定することで、閲覧権限のない社員は該当契約書にアクセスできなくなる。グループ内のメンバーはいつでも入れ替えることができるため、異動等が発生した場合でも柔軟に対応することができる。
　これにより八海醸造は、グループ横断での契約管理を実現しながら、他グループ会社には広く公開しづらいような機密性の高い契約書を、安全に管理することができるようになる。