Sansan Bill Oneの中小企業向け無料プランで機能拡充 電帳法対応を容易に

 Sansanは、同社のクラウド請求書受領サービス「Bill One」で中小企業のDXを後押しすべく、従業員数100名以下の企業を対象にした無料プラン「スモールビジネスプラン」の機能を拡充すると、6月1日に発表した。今回新たにタイムスタンプ機能の無料化および請求書閲覧上限の撤廃を行い、DXの第一歩となる電子帳簿保存法(電帳法)により対応しやすいプランへと進化する。

BillOne機能拡充

■機能拡充の背景
 内閣府が発表している令和3年度年次経済財政報告によると、DXへの取組み状況は大手企業が約7割なのに対し、中小企業においてはわずか1割程度にとどまっていることが分かった。さらに、Sansanが1月末に行った電帳法の実態調査でも、電帳法への対応は、従業員規模が小さな企業ほど遅れている傾向にあることが明らかになっており、従業員数100名以下の企業においては、約半数が電帳法に「対応していない」と回答している。中小企業では、一人経理体制であることも多く、DXのための費用や工数の捻出が容易ではないことが要因の一つと考えられる。
 Bill Oneでは、日本企業全体のDXを推進するためには国内企業の99.7%を占める中小企業の取り組みが重要であるという考えから、2021年5月27日より、従業員数100名以下の企業を対象にした無料プラン「スモールビジネスプラン」を提供している。提供開始以降、「スモールビジネスプラン」の利用企業は毎月19%成長で増加しており、1年間で約4万枚の請求書のデータ化、延べ18,000時間分の経理作業削減に貢献している。
 提供2年目以降も中小企業のDXに貢献するために、まずは対応が遅れている電帳法への対応を支援する必要があると考え、今回電帳法への対応を容易にするための機能拡充を決定した。
■機能拡充の内容
 スモールビジネスプランは、従業員数100名以下の企業を対象に、初期費用および月額費用無料でBill Oneの基本機能を提供するプランである。リリース当初、リモートワーク支援として請求書のオンライン受領等の機能を中心に提供してきたが、2022年1月より改正された電帳法に簡単に対応できるよう、機能拡充をする。今回の機能拡充によって、電帳法対応への負担軽減と、業務効率化による月次決算の加速を後押しする。
【新たに無料プランに追加される機能と効果】
 ・電子データが確実に存在していたことを証明する「タイムスタンプの付与」(これまでは有料プランのみ) により、電帳法の「真実性の確保」に対応
 ・過去に受領した請求書の「閲覧上限枚数の撤廃」(これまでは最新500枚の制限あり)により、電帳法の「可視性の確保」に対応
※スモールビジネスプランで受領できる請求書は毎月100件まで。
■今後のアップデートについて
 2023年10月のインボイス制度導入を見据え、インボイス制度への対応を促進する受領・発行機能を今秋に拡充する予定である。