NEC 生体認証技術で立ち止まることなく多人数を認証 入場時の混雑緩和を実現するシステムを販売開始
日本電気 2024年9月3日発表
NECは、公共施設などにおける入場時の混雑緩和の実現に向けて、生体認証技術により立ち止まることなく一度に多人数を認証するシステムを9月に日本、アメリカ、シンガポールを中心にグローバルで販売開始する。
本システムは、顔認証技術と、身体の特徴から人物を照合する技術を用いることで、あらかじめ設定した入場エリア内の人物をスピーディに検出するだけでなく、混雑下でもその人物を継続して認識し続けることができる。また、多人数が立ち止まらずに自然に歩きながらでも検出することができるため、1分間に100人のリアルタイムな認証を実現する。これまでの入場管理システムのように、1人ずつ順番に通過させるためのゲートが無くとも、行列を解消し、利用者の負担を軽減するスムーズな入場が可能である。
希望する企業向けのカスタマイズ機能として、事前に顔画像を登録していない利用者が通過しようとした場合は、頭上や床面などに設置したディスプレイやイルミネーションで視覚的にアラートを示すことができる。認証時には、事前にダウンロードしたアプリやメールで本人に認証完了したことが通知される。これらにより、利用者とスタッフそれぞれが入場可否をその場で簡単に把握することができる。利用者の通行と認証の効率性を向上できるだけでなく、既存施設の拡張や増設をせずとも、混雑を緩和できる。
NECは2024年7月、国内のNEC社員2万人を対象に本システムをNEC本社ビルに導入した。従来、社員証をかざして解錠していた自動ドアを、利用者は歩きながら顔認証することで、手ぶらで通過が可能となった。さらに、利用者が左右どちらの扉に向かったのか本システムが判断し、通過する扉を解錠することもできる。
本システムは、9月30日に販売開始予定で、販売目標は3年間で100件以上である。