エプソン販売 機能性インク搭載でプリントと同時に前後処理加工 デジタル捺染機発売

エプソン販売 2024年2月27日発表


エプソンMonna Lisa「ML-13000」
Monna LisaML-13000

 エプソン販売は、デジタル捺染機Monna Lisaシリーズの新商品として、「ML-13000」(オープン価格)を4月中旬より発売すると、2月27日に発表した。
 Monna Lisa「ML-13000」は、高い生産性と印捺品質はそのままに、顔料によるデジタルプリントで生産現場に新たな価値を届ける。

 今回の新商品は、7色のカラーインクに加え「前処理剤」「オーバーコート剤」「発色剤」の3種類の機能性インクを搭載。Monna Lisaシリーズの従来機では別工程で実施している前後処理加工を、プリント工程のみのシングルステップで施すことが可能となった。機能性インクをプリント部にのみ吐出 (ドット オン ドット)することで、生地の風合いを生かしたプリントを実現する。
 また、顔料プリントでは、染料プリントで必要とされる「蒸し」「洗い」工程が不要のため、水の使用量を大幅に削減することができ、サステナブルなプリントプロセスにより環境負荷低減に貢献する。

【新商品の主な特長】
■機能性インク搭載によるシングルステップソリューションで、効率的な生産を支援
 「前処理剤」「オーバーコート剤」「発色剤」の3種類の機能性インクを搭載。前処理剤でインクを生地に定着させるとともに、オーバーコート剤と発色剤による効果で堅牢性と発色を向上させる。機能性インクは、エプソン純正ソフトウェアRIP「Epson Edge Print PRO X」で配分を変更することができ、生地の特性や希望の仕上がり具合に応じたプリントを行うことができる。
 また、プリントと同時に前後加工を行うことにより工程が大幅に簡素化されるため、トータルでの生産効率の向上やリードタイムの短縮、エネルギー消費量の削減に貢献するととともに、最小限の設備投資で導入することが可能である。

■「ドット オン ドット」による、より生地の特性を生かしたプリントを実現
 Monna Lisaシリーズの従来機では前処理を別工程で行う必要があったが、新商品「ML-13000」ではプリント工程で必要な箇所のみに機能性インクを吐出するため、別工程での前処理が不要となった。そのため、プリントしない箇所の風合いを損ねず、生地全体の風合いを生かして仕上げることができる。

■顔料インクによる、水の使用量を大幅に削減するサステナブルなプリントプロセス
 サステナブルなプリントへの対応として、顔料インクによるプリントニーズは欧州を中心に広がりを見せている。最大の特長は、従来のアナログ方式の染料プリントと比較して、プリントプロセスにおける水の使用量を約97%削減できること。貴重な地球資源の保全に貢献する。また顔料インクは、さまざまな素材の生地に対応し、染料インクでは難しい混紡生地へのプリントにも対応している。