Dynabook 自社工場で稼働中の画像認識AIソリューションを製造業向けに4月提供開始
Dynabookは、自社のPC製造工場において稼働中の、画像認識AI技術の利用により作業不適合品の検出を行う「AI不適合品検査システム」を、4月より製造業向けに提供開始すると、2月13日に発表した。
また、作業者動作検知による後戻り作業を削減する「AI作業者動作検知システム」については、準備でき次第、WEBにてアナウンスするとしている。
本システムは、2017年より構想設計に取り組み、2019年に本格稼働を開始したものである。設計担当と製造技術担当が常に連携し、機能拡張やUI変更により生産部門の困り事を解決する作り込みを行い、製造品質を担保しながら生産効率アップを行うシステムとして活用されている。
同社は、2016年よりdynaEdgeシリーズを発売し、スマートグラスを核とした現場DXの提案をおこなってきた。そうした中、現場DXにおいてAIを活用した取り組みの際に、人材不足や工数がかかるといった課題の相談が多くあり、同社のPC製造工場で実績がある本ソリューションを販売開始することにした。同社のPC製造工場内でソフトウエア設計ノウハウと製造技術の現場管理ノウハウをすり合わせて作り上げたAIシステムの導入が可能になる。
(1) 「AI不適合品検査システム」
「AI不適合品検査システム」は、Deep Learningで作成したモデルをエッジPCへ搭載し、確認対象を撮影することで設定した基準をもとに自動判定を行う。同社実績として、約100点の確認を行う場合、作業者が目視で行う場合と比較し、約半分の時間で自動判定を行っている。
《機能・効果》
・判定後の確認対象は良品を緑枠で表示し、不適合部分を赤枠で表示。
・検査対象リストにカーソルを持っていくと、対象が拡大表示。
・作業者スキルに頼っていた確認作業を自動化。
・確認を自動化することで確認作業者の負荷を軽減。
(2) 「AI作業者動作検知システム」
「AI作業者動作検知システム」は、Deep Learningで作成したモデルと作業手順をエッジPCへ搭載し、作業者の手と部品を動画撮影することで作業ミスをリアルタイムで検知し、管理者へ通知する。同社実績として、導入前後を比較すると生産効率の約5%アップを実現した。
《機能・効果》
・作業動作を動画撮影し、作業忘れを検知。後戻り作業を削減。
・各工程のタクトタイムを見える化することで、ラインバランス調整時間を削減。
・撮影した動画を活用し、新人教育時間を削減。