リコー 環境に配慮したバイオマス由来の光造形3Dプリンター用インクを開発
リコーは、環境に配慮したバイオマス由来の材料を使用しながら、高精細、高靭性かつ、高生産性を実現した光造形3Dプリンター用インク「LIFE PARTS(ライフパーツ) Rインク」を開発したと、7月28日に発表した。同製品は、3Dプリンター用インクとしては初のリコー自社開発製品で、希望のお客様への有償試験出荷を8月1日から開始する。
Rインクは、光造形3Dプリンターを手掛ける株式会社ディーメックが2021年9月に発売を開始した、SLA昇降方式の3Dプリンター「DARAM3(ダラム スリー)」との組み合わせにより、環境に配慮しながら大型サイズ(300mm×300mm×300mm)の光造形を可能にする。
3Dプリンターは現在、様々な方式の装置と、それぞれの方式に合わせた特性のインクが展開されている。一般的な熱溶解積層造形(FFF)方式等は、高熱で材料を溶かす方式のため環境負荷が高く、また工業用途では高額な材料が多いことが、3Dプリンターのさらなる普及の壁になっている。
Rインクは、リコーの新規事業創出の取り組み「TRIBUS(トライバス)」で採択された社内チームの「WEeeT-CAM(ウィットカム)」が、「理想の形をより早く。みんなに使いやすい。」をコンセプトに開発したものである。UVレーザーで硬化する光造形方式を採用しているため、熱溶解積層造形(FFF)方式等と比較してエネルギー消費が少なく、環境負荷を低減できる。
また、一般的な材料と比較して造形時間の短縮にも成功した。紫外線照射で硬化するアクリル系樹脂を採用しながらも、ABS樹脂同等の強度を実現し、高精度のプロトタイプ、流路模型や樹脂型といった、幅広い用途に使用できる。
原料の一部に生物由来の資源(バイオマス)を使用しており、品質及び安全性が関連する法規、基準、規格等に適合し環境に配慮した商品の目印である「バイオマスマーク」の認定を取得した。