コニカミノルタ 連結子会社MOBOTIX社をドイツのCertina社に譲渡

コニカミノルタ 2025年3月26日発表


 コニカミノルタは、ドイツの分散処理型IPカメラシステムを開発しているMOBOTIX AG(本社=ドイツ ラングマイル、以下 MOBOTIX社)のコニカミノルタの保有する全株式(持株比率64.9%)およびMOBOTIX社への貸付金をCertina Software Investments AG(本社=ドイツ グリュンヴァルト、以下 Certina社)に譲渡することを、3月25日(中央ヨーロッパ時間)に決定し、株式譲渡契約を締結した。Certina社は、これまで多くのヨーロッパの中小企業の成長支援の実績のあるプライベートエクイティファンドである。

■譲渡の理由
 コニカミノルタは、中期経営計画(2023-2025)において、「事業収益力の強化」「収益基盤強化のための構造改革を実行」「事業管理体制の強化」の3つの方針を掲げており、事業収益力の強化として事業の選択と集中を進めている。各事業の位置づけを「強化事業」「収益堅守事業」「非重点事業」「方向転換事業」の4つに区分してその役割と期待を明確にしており、画像IoTソリューション事業を方向転換事業と定め、収益改善のための戦略方向性の再設定を行っている。
 コニカミノルタは、2016年にMOBOTIX社が持つ分散処理型IPカメラ、画像データ圧縮技術、画像データ解析技術の獲得、共同開発を図ることを目指し、約65%の株式を取得し、コニカミノルタの画像ソリューション事業とのシナジーにより新規事業を創出し、対候性や安定性の強みを生かし、労働安全や自然災害リスクの低減などの顧客への価値提供に貢献してきた。
 MOBOTIX社は、コロナ禍における市場の減退や半導体部材の供給制約、欧州の地政学リスク等の影響を受け、当初の想定を下回る事業環境にあったが、直近では市況の回復や新製品の成果もあって改善傾向を示している。
 コニカミノルタは、安全、安心という社会的価値の高い、また市場成長が予想されるビデオサーベイランス市場において、MOBOTIX社のさらなる成長加速の実現に向けて第三者資本の活用の検討を進めてきた。このたび、MOBOTIX社のコニカミノルタの保有する全株式およびMOBOTIX社への貸付金を、Certina社に譲渡することが最善の選択であると判断した。
 なお、コニカミノルタの画像IoTソリューションユニットは、安全、安心領域を中心とした付加価値の高いビデオソリューションサービスを継続していく。

■今後の見通し
 本株式譲渡の契約締結に伴い、本株式譲渡契約の締結による営業損失約100億円を2025年3月期第4四半期に計上する見込みだが、為替相場の変動等により最終的な本株式譲渡契約の締結による営業損失は変動する可能性がある。