Green x Digitalコンソーシアム 「CO2可視化フレームワーク(Edition 2.0)」ほか公開
一般社団法人電子情報技術産業協会 2024年7月29日発表
一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)が事務局を務めるGreen x Digitalコンソーシアム(グリーン カケル デジタル コンソーシアム)は、サプライチェーンCO2データ見える化の実現に向け、CO2データの算定方法や共有方法(データ品質開示方法)を提示する「CO2可視化フレームワーク(Edition 2.0)」、およびデータ項目・共通データフォーマット・API等の連携仕様を提示する技術文書「データ連携のための技術仕様(Version 2.0)」を公開した。
両文書は、2023年に同コンソーシアムが公開した文書の改訂版で、国際的な議論の最新状況の反映や、日本国内における政策・産業動向を踏まえた更新が含まれている。サプライチェーンを構成する各企業が両文書を活用することで、企業のCO2排出量削減努力が反映される形でCO2データが流通し、CO2排出量の削減に向けた企業間の協働(エンゲージメント)促進が期待される。
今回の改訂では、先行する国際的な枠組みであるWBCSD Partnership for Carbon Transparency(PACT)によるPathfinder Framework、およびTechnical Specifications for PCF Data Exchangeの更新を踏襲している。また、同コンソーシアムの見える化ワーキンググループが2023年6月までに実施した共同実証の検証結果も反映することで、よりサプライチェーン上の企業にとって利便性を向上させた内容となった。
今回の改訂を経て、サプライチェーン上のあらゆる企業がデジタル技術を活用したCO2データの算定・共有がより容易となり、気候変動関連の情報開示やCO2排出削減対策、顧客等に対する環境価値の訴求といった企業の脱炭素施策が促進される。今後、同コンソーシアムでは、社会全体へより使いやすく普及を推進すべく、両文書の活用方法を実務者目線で解説する教育セミナー事業も展開予定である。
■主な改訂内容 CO2可視化フレームワーク Edition 2.0
(1)Pathfinder Frameworkと整合した「製品ベース算定」の方法論整備
日本国内の制度やアクセス可能なデータを活用して、Pathfinder Framework Version 2.0と整合したCO2データ算定を行うための方法論(製品ベース算定と呼称)を整備
(2)簡易な一次データ算定手法としての「組織ベース算定」の方法論の提供
一次データ活用の参入の間口を広げるため、スコープ 1、2、3 排出量などの組織ベースのデータを活用したCO2データ算定(組織ベース算定と呼称)の方法論も提供
■主な改訂内容 データ連携のための技術仕様Version 2.0
(1)データ項目の構成
CO2可視化フレームワークの改訂に即し、データ項目を更新
グローバルなデータ連携を可能とするため、Technical Specifications for PCF Data Exchange v2.1.0との整合を確認
(2)API仕様の構成
CO2可視化フレームワークの改訂に即し、データ品質評価指標等の仕様を追加
エラーレスポンスの処理など、実装時の記述例を追加