キヤノン 本社の緑地帯が生物多様性保全区域に認定 環境省の「自然共生サイト」認定事業で
キヤノン 2023年10月6日発表
キヤノン本社(東京都大田区下丸子)敷地内の緑地帯「下丸子の森」が、環境省が実施する「自然共生サイト」認定事業において、生物多様性保全区域に認定された。本事業は、2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとする世界目標(30by30)の達成に向けて、「民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域」を国が認定するものである。
キヤノンは、生物多様性が持続可能な社会にとって重要な基盤であることを認識し、事業活動を進めるなかで生物多様性保全の活動に取り組んできた。今回認定を受けた「下丸子の森」は、約80種類1,000本近い木々が植えられた、本社敷地内の緑地帯(緑地面積約3万㎡)である。地域の生物多様性保全に貢献していることに加え、鳥をテーマとした生物多様性保全活動「キヤノンバードブランチプロジェクト」の取り組みも評価された。
「キヤノンバードブランチプロジェクト」では、敷地内に飛来する野鳥を定期的に調査するほか、巣箱やバードバスの整備、鳥が好む赤い実のなる木を育てるなど、野鳥の生息環境を整えている。これまでに確認した野鳥は、2014年の23種から2023年には40種に増え、生息種の多様化を確認している。この中には、東京都で絶滅のおそれがあるとされている、ハヤブサ、モズ、オナガ、チョウゲンボウ、セグロセキレイ、イソヒヨドリなども含まれている。
また、国立環境研究所が気象庁および環境省と連携して実施する「生物季節モニタリング」にも参加し、キヤノングループの敷地内で観測できる、野鳥・昆虫・植物などの「初鳴き日」「開花日」といった生物季節現象を報告している。これらの記録は、自然環境の正確な把握や気候変動の影響を予測するためのデータとして蓄積されている。
今後、本社以外の拠点でも「自然共生サイト」認定を目指すとともに、生物多様性の保全に向けた活動をキヤノングループ全体で推進していく。