Green x Digitalコンソーシアム 「データ連携のための技術仕様(Version 1.0)」を公開
JEITA 2023年8月4日発表
一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)が事務局を務めるGreen x Digitalコンソーシアム(読み=グリーン カケル デジタル コンソーシアム)は、8月4日、デジタル技術を活用してサプライチェーン上で交換されるCO2データについて、データ項目や共通データフォーマット、API等の連携仕様を提示する技術文書「データ連携のための技術仕様(Version 1.0)」を公開したと発表した。
本技術仕様は、グローバルレベルで業界横断的にCO2データ連携を可能とすることを目指し、国際的に通用する仕様を取り入れてまとめたものである。本技術仕様を実装することによりソリューション間でのデータ連携が可能となり、サプライチェーンの上流から下流まで一気通貫でのCO2データ見える化の実現に寄与する。
2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、あらゆる産業でサプライチェーン全体の脱炭素化が強く求められている。サプライチェーンにおける事業活動にともなって発生する温室効果ガス排出量については、直接排出量(Scope1排出量)とエネルギー起源間接排出量(Scope2排出量)に加えて、サプライチェーンの上流・下流に関連するその他の間接排出量(Scope3排出量)を含むサプライチェーン全体のCO2データを正確に把握し、削減努力に結び付けることが不可欠である。
そのような状況においてさまざまな「CO2データ見える化ソリューション」が開発されている一方、これまで異なるソリューション間でデータを連携するための共通的な仕様がなく、サプライチェーンの中で異なるソリューションを使用している場合には上流から下流まで一気通貫でのCO2データ把握が難しいことが課題とされていた。
そこで同コンソーシアムの見える化ワーキンググループは、デジタル技術を活用して共有されるCO2データを交換する際の共通データフォーマットや連携仕様(データプラットフォームの在り方等)を示すため、2022年4月にデータフォーマット・連携検討サブワーキンググループを発足、先行する国際的な枠組みであるWBCSD PACT:Partnership for Carbon TransparencyによるPathfinder Networkに立脚しつつ、参加企業のニーズや国内制度等も加味したルールとして「データ連携のための技術仕様(Version 1.0)」を策定し、8月4日に公開した。
この技術仕様は、2023年6月30日に同コンソーシアムが公表したCO2データ算定方法「CO2可視化フレームワーク」と対をなすものである。算定方法と技術仕様という『共通言語』を用いることにより、CO2データ見える化ソリューションを開発する企業においては、複数のソリューション間でのデータ連携が可能となる。
さらに、他社との仕様上の個別調整が不要となり、開発の効率化が期待される。
また、ユーザ企業にとってはソリューション導入時の選択の幅が広がる。取引先と自社とが異なるソリューションを用いていても、特別な手当なくCO2データの受け渡しが可能となり、サプライチェーンCO2データの見える化実現につながる。