エプソン 2026年目標にプリンター本体をIJ方式に全面切り替え 環境負荷を低減
セイコーエプソン(以下 エプソン)は、11月17日に、A3複合機/プリンターの中速機種となる新製品「WorkForce Enterprise LMシリーズ」(日本名)を発表した。本新シリーズによるラインアップ拡充を契機に、日本を含めたアジアとヨーロッパ地域で展開しているレーザープリンターのインクジェットプリンターへの置き換えをさらに進めていくため、新規販売するオフィス向けプリンター本体を2026年を目標に全てインクジェット方式に切り替えていくと、同日発表した。
エプソンは、2021年3月に制定した長期ビジョン「Epson 25 Renewed」における環境活動の一環として、お客様のもとでの環境負荷低減に積極的に取り組んでいる。また、エプソンのプリンター事業戦略の基本方針として、従来よりレーザー方式からインクジェット方式への切り替えを進めてきた。
今回の新シリーズが加わることで、エプソンのオフィス向けインクジェット複合機/プリンター製品は、低速モデルから高速モデルまで、そのラインアップが大幅に拡充される。
本新シリーズならびに今後のインクジェット製品のラインアップ強化・拡充を見据え、現在エプソンが提供しているレーザープリンターは、2026年を目標に本体の販売を終了する。なお、エプソンのレーザープリンターを利用中のお客様には、レーザープリンター販売終了後も引き続き安心して利用できるように、消耗品、保守部品ともに長期にわたり提供し、サポートも継続していく。
エプソンは、社会的責任を遂行するため、2021〜30年までの10年間で約1,000億円を投入し、脱炭素・資源循環・環境技術開発などの取り組みを行っていく。また、エプソンが進める事業イノベーションでは、研究開発費や設備投資として、10年間で1兆円相当の投資・費用投下を見込んでおり、この事業イノベーションを通じて、お客様のもとでの環境負荷低減に貢献する製品・サービスを提供することは、同社の成長にもつながるものと考えている。今回の新製品ならびにエプソン独自のインクジェット技術「Heat- Free Technology」における技術・製品開発も、これらの取り組みのひとつである。
紙へのプリントに深く関わってきたエプソンは、インク吐出に「熱を使わない」プリンターが広く利用されることが、環境対策のひとつと考えている。熱を使わずにインクを吐出する「Heat-Free Technology」は、レーザー方式と比べてシンプルな印刷プロセスで、低消費電力と高生産性の両立を実現する。また、交換部品も少なく、環境負荷の低減とともにオフィスの高生産化にも貢献する。