OKIと大阪教育大学 体育科学習におけるICT活用に関する共同研究契約を締結
沖電気工業株式会社(OKI)と国立大学法人大阪教育大学(大阪教育大学)は、3月10日付けで「小中学生を対象とした体育科学習におけるICT活用の有用性検証」に関する共同研究契約を締結したと、3月29日に発表した。
OKIの強みである無線ネットワーク技術とリアルタイムモニタリングを実現するIoT技術を組み合わせ、大阪教育大学表現活動教育系の橋元真央特任講師が推進する、ICTを活用した新たな体育科教育の開発の実践研究に活用する。体育の授業中の生徒の体調をモニタリングすることで、生徒の健康や安全の管理、身体活動状況の「見える化」による学習・評価の質の向上、さらには教職員の業務負荷軽減を実現する。
学校教育現場においては、熱中症をはじめとする体調不良、またその重症化、死亡事例等が社会問題化している。さらに、2020年4月には小学校の学習指導要領が改訂され、体育教科では児童の運動能力の変化や「どれだけ頑張っているか」の観察記録が成績評価に必要となった。その結果、細かな運動能力のデータ記録・収集・整理のための業務量が増大し、教職員の長時間労働の一因にもなっている。
新指導要領では、基本方針の1つである「主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善」に向けてICTを活用した学習活動の充実を図ることが規定され、教育現場でのさらなるICT環境整備が期待されている。
OKIは、2021年4月に数百人規模の運動会を想定した実証実験を行い、被検者の体調情報をバイタルセンサー無線ネットワークを用いてリアルタイムにモニターして、その有効性を確認した。
一方、大阪教育大学は、持久走中の心拍数表示による効果測定など、保健体育科教育におけるICTを活用したヘルスリテラシー育成に関する研究で培った豊富な知識ノウハウがある。
両者はこのたびの共同研究契約締結にともない、OKIの技術力と大阪教育大学の知見を融合し、大阪教育大学附属学校園の児童・生徒を対象とした実践的な実証実験を実施するなど、産学連携の強みを活かした教育現場の安心・安全ソリューション提供に向けて取り組んでいく。