「株主総会リアルタイム字幕」サービスをリコーなど3社が共創

三菱UFJ信託銀行/リコー/メジャメンツ 2025年4月18日発表


 三菱UFJ信託銀行、リコー、メジャメンツの3社は、株主総会をオンライン配信する際にリアルタイムで字幕を提供する「株主総会リアルタイム字幕サービス」の提供を開始したと、4月18日に発表した。4月より、三菱UFJ信託銀行に株主名簿管理業務を委託する企業向けに提供を開始している。

■サービスの特長
(1)AIと人のハイブリットで作る「株主総会リアルタイム字幕サービス」

 字幕表示の活用では、自動でテキストを文字起こしする、AI音声認識エンジンの利用が増加している。しかし、AIの活用だけでは総会における発話をすべて正確に表現しきれず、誤字や脱字が表れてしまう。メジャメンツの「株主総会リアルタイム字幕サービス」では、AI音声認識エンジンを利用した字幕に対し、修正スタッフが誤字の修正をおこない、より正確な情報を伝えるサービスとなっている。

(2)独自の修正作業のトレーニングを受けた障がい当事者スタッフが修正を担当
 特徴としては、メジャメンツが運営している障がい者専門クラウドソーシングサービス「サニーバンク」に会員登録している障がい当事者(主に発達障がい者や精神障がい者)が修正スタッフとして作業を行う。聴覚に障がいのある人への配慮を他の障がいのある人が対応する(補い合う)環境を構築している点が他社にはない特徴となっている。独自の修正作業のトレーニングを受けた障がい当事者スタッフが連携を取りながら誤変換を修正していくことで、素早く、正確性を担保したサービスの提供を可能としている。

(3)リコーが販売する「聴覚障がい者向けコミュニケーションサービス Pekoe(ペコ)」を使用
 字幕テキストを生成するシステムは、リコーが提供する「聴覚障がい者向けコミュニケーションサービス Pekoe(ペコ)」を使用する。「Pekoe」は、聴覚障がい者とのコミュニケーションをサポートする目的で、2022年8月に発売された。音声を可視化して正しい情報をリアルタイムに伝えることができるコミュニケーションツールで、多くの企業でこれまで得られなかったリアルタイムの正確な情報、双方向コミュニケーションを活用して、聴覚障がいがある人が仕事の幅を広げている事例を数多く生み出している。また、日本デフ陸上競技選手権大会やリコーブラックラムズ東京の試合の実況可視化に貢献するなど、誰もが楽しめるスポーツ観戦環境の構築への取り組みも進めている。2024年より、株主総会等の大人数での使用を想定した新機能を、3社で共創してきた。

■今後の展開
 三菱UFJ信託銀行が株主向けに提供しているオンラインサイト「Engagement Portal」で開催される株主総会において、より多くの企業に本サービスが導入されていくことを目指す。また、株主総会に限らず、株主や投資家を対象とした説明会などでの字幕提供や、リアルタイム字幕サービスに限らず、招集通知や議決権行使等のアクセシビリティ向上に関してもサービス拡張を図っていく。