リコー TRIBUS 2020 社内起業家2期生のネクスト・ステージへのチャレンジが決定

リコー 2025年3月12日発表


 リコーは、社内起業家とスタートアップ企業の成長を支援し、事業共創を目指す社内外統合型のアクセラレータープログラム「TRIBUS(トライバス)」の2期生として採択された社内起業家3チームが、TRIBUSとしての活動を終え、それぞれのネクスト・ステージに進むことを決定した。

 リコーは、価値創造に向けた基本的な考え方の1つにオープンイノベーションを掲げ、外部資本や知見を活用した新規事業創出を目指している。また、多様な人材が生き生きと活躍できる「働きがい改革」の一環として、社員が新しい顧客価値の創造に自律的にチャレンジできるTRIBUSを推進してきた。TRIBUSでは、社内からこれまで19の新規事業の立ち上げが行われ、約1700人のリコーグループ社員のコミュニティがTRIBUSを応援している。また、社外起業家・スタートアップ支援としては、のべ50社が本プロジェクトを通して、リコーグループやパートナー企業のリソースを活用し、事業の具体化及び事業加速に向けて活動している。

 コロナ禍で開催された「TRIBUS 2020」で採択された社内起業家3チームは、社外スタートアップと切磋琢磨し、社外VCからのアドバイスを受けながら、新規事業の立ち上げ・事業化にチャレンジしてきた。活動の最終年を迎え、各事業の特性や状況に合わせて、リコー内のビジネスユニットへの事業移管や、カーブアウトしスタートアップとしての起業等、個別の成長戦略(ネクスト・ステージ)を策定した。また、今後、社内外のTRIBUS卒業生が集う「TRIBUSアルムナイコミュニティ」を通じ、現在活動している社内外のチームに経験者としてのアドバイスやノウハウを伝承し、TRIBUSのさらなる活性化を図る。
 リコーは、自律的に考え行動し、多様な他者と協働することができる「自律型人材」の成長が、事業の成長と両輪であり、企業価値向上につながると考えている。TRIBUSによって「事業」「人」「挑戦する文化」をさらに育み、共創イノベーションの環をさらに拡大していく。

■《ブランド名・事業名》と決定事項
《brightvox》
 現実空間に全方位映像を映し出せる立体投影装置「brightvox 3D(ブライトヴォックス3D)」を開発し、イベント会場・店舗・ショールーム・アミューズメント施設など、リアルな場の体験価値を向上することを目指しサービスを提供。EXPO 2025大阪・関西万博ではクラゲ館の空間演出として採用されている。
 2022年経済産業省の出向起業等創出支援事業に採択され、株式会社ブライトヴォックスとしてTRIBUSとして初のカーブアウト事例となった。株式会社リコーからの出向は終了し、引き続き、株式会社ブライトヴォックスとしてお客様へのサービス提供を行う。

《Pekoe》
 会話の音声をタイムリーに文字に起こし、見える化するサービス「Pekoe(ペコ)」を開発。会議等の場で、聴覚障がい者をはじめ、聞こえに課題をお持ちの方とそのチームのコミュニケーションをサポート。総務省の「情報アクセシビリティ好事例2023」に選出されるなど、その取り組みは高く評価されている。
 これまではインキュベーション期間として、TRIBUS推進室のもとで活動してきたが、事業拡大に向けてリコーデジタルサービスBUに移管する。

《Piglyph》
 対話をリアルタイムにグラフィック変換してコミュニケーションをサポートするビジュアルコミュニケーションシステム「piglyph(ピグリフ)」を開発し、人々が言葉の壁を越えて自由に意思疎通できる世界の実現に向けて活動してきた。
 自治体や教育現場での活用など社外から評価を得たが、今後の事業環境を精査した結果、事業活動中止の判断となった。創出した価値については、社内にて利活用を検討していく。