コニカミノルタ ヒーター搭載で幅広いインク対応 長距離吐出性能が特長の産業用IJヘッドを発売
コニカミノルタ 2024年12月16日発表
コニカミノルタは、長距離吐出を特長とする産業用インクジェットヘッド「KM800シリーズ」の新製品として、ヒーターの搭載で幅広いインクに対応する「KM800H-MR」を発売した。
■インクジェット技術で流通業界の効率化に貢献
物流量の増加などを背景に、流通業界では生産性向上へのニーズが高まっている。インクジェット技術で金属や木材などの工業製品、医薬品や食品包装、段ボールなどの対象物に直接印字する方式は、印字したラベルを貼付する方法と比較すると、ラベル交換によるダウンタイム削減などにより効率化を図れるとともに、廃棄物削減により環境負荷低減にも貢献する。また、インクジェット方式は印字する情報を柔軟に変更できるため、デザイン変更や生産調整がしやすいことが特長である。小ロットにも対応し、在庫のロス低減に寄与する。特にピエゾ式インクジェットは高画質印刷が可能であることから、狭い範囲への精細な印刷や、二次元バーコードなどの複雑な印刷にも適している。
流通業界でも、対象物への直接印字による工程削減や、小ロット対応も可能なことから、生産性向上への貢献に向けた提案をさらに強化していく。
■「KM800H-MR」が提供する価値
「KM800シリーズ」は、インク吐出部から20mm離れた対象物にも高画質で印刷できる優れた長距離吐出性能やインクの吐出安定性などが特長である。この長距離吐出性能により、曲面や凹凸面などノズルから印刷面への距離が一定ではない基材に対しても印刷が可能である。また、インクジェットヘッドと対象物の距離を確保することで、搬送中にぶつかって印刷機に搭載されているインクジェットヘッドが故障したり、対象物が破損したりすることを抑制し、生産性向上にも貢献している。
「KM800H-MR」はヒーターを内蔵することで、常温で水性インクに比べて粘度が高いUVインクでも、長距離吐出を可能にした。UVインク対応によりプラスチック、フィルム、紙器など非吸収性基材への印刷が可能となり、ボトル、パッケージ、医薬品の包装や医療品など向けのコーディング・マーキングに用途を拡大する。