エプソン販売「第18回CE技能競技会」を開催 販売店部門はタイガー情報機器(株)が優勝

 エプソン販売(栗林治夫社長)は11月21日、東京の品川ザ・グランドホールで、全国のカスタマーエンジニア(CE)の頂点を競う「第18回CE技能競技会」を開催した。
 本競技会は、同社のラインインクジェットプリンター/複合機「スマートチャージ」のオンサイト修理・保守を行うCEの専門知識、技術力、顧客対応力の向上を目的にしている。今回参加したのは、全国のCE54社779名。その内訳は、スマートチャージの販売店のうち保守も行う「自営保守販売店」(463名)と、エプソン販売が保守サービスを委託している「サービスパートナー」(316名)で、この2部門に分かれて競技した。このうち、7月に実施したWebによる予選の上位16名が、11月21日開催の本選に出場して腕前を競った。

 本選では、自営保守販売店部門で9社9名が競った結果、タイガー情報機器(株)の金井淳希氏が優勝、サービスパートナー部門では4社7名が競った結果、(株)六甲サービスセンターの安部昇司氏が優勝した。

自営保守販売店部門 優勝のタイガー情報機器(株) 金井淳希氏(左)と、エプソン販売栗林社長
サービスパートナー部門 優勝の(株)六甲サービスセンター 安部昇司氏(左)と、エプソン販売栗林社長

 本選は、いずれも昨年2月に発売したスマートチャージ「LM‐C6000」を使って行われたが、もともと故障の少ないラインインクジェット複合機である上、発売からまだ2年足らずのモデルのため、CEにとっては修理体験が乏しい中での競技となり、万一の故障修理に対応するための日頃の研鑽が、より問われる戦いになった。

 本選の競技は、エプソンの関係者や、販売店、サービスパートナーの多数が、選手の一挙手一投足を見守る中で行われた。また、今回は競技の様子をLIVE配信して、選手の会社やエプソン販売の営業所でも多くの応援が行われた。

競技審査会場の様子
技能競技に取り組む選手

 本選の見どころは、稼働を止めない故障診断から修理完了までの流れや、インクジェット構造を熟知した迅速な修理対応、お客様の「コピーをした時の裏写りを目立たなくする方法はないか」という相談に対する提案や対処法の説明の様子を、お客様目線で見られること。また、「LM」シリーズになって、機器単体での故障原因特定や修理がしやすくなっていることも見どころとなった。

 2017年に発売を開始した高速機「LX」シリーズと比べて、昨年発売の中速機「LM」シリーズは、主要部品の交換時間を約半分に大幅削減している。他の部品も多くが約半分という短時間の交換になり、サービスマンの手間を省くだけでなく、使用している顧客にも大きなメリットになっている。競技会場の外に設けられた展示場では、これらの製品が比較できる形で展示されていた。
 エプソンは本競技会の開催を通じ、CEの技術力・サービスレベルの向上、サービス性の理解を深める機会にするとともに、販売店とサービスパートナーの交流親善を図り、共に研鑽する場にしている。さらに、商品やサービスの改善すべき点をフィードバックすることで、顧客に最適なプリント環境を提供することも狙いにしている。

宇都宮厚取締役サービス・サポート本部長

 開会式では、エプソン販売の宇都宮厚取締役サービス・サポート本部長が、次のように挨拶した。
 「昨年に続いて『LM』シリーズの競技ですが、昨年度は部品の交換の丁寧さを競っていただきました。選手の方にはもの足りないようでしたが、今回は修理箇所の特定、お客様への説明、ご提案までということで、日頃CEの皆さんが実際にお客様先で行われていることで、より日頃磨いていただいた腕前を発揮していただけると思います」。

 表彰式では、自営保守販売店部門優勝の金井氏が「私はエプソンさんのお膝元で活動しておりまして、出場にあたり恥ずかしい結果は出せないなと思っていました」と、優勝を目指したプレッシャーから解放された喜びを語った。
 また、サービスパートナー部門優勝の安部氏は「本競技会への意気込みを書くボードに『優勝しか目指していません!』と書きましたが、まさか優勝できるとは---。すごくうれしいです」と、喜びを語った。

 競技・表彰式を経て閉会式では、エプソン販売の栗林栗林治夫社長が挨拶し、「本競技会には779名がエントリーして、その中でここにいらっしゃるのは16名ということで、精鋭の皆様です。私どもインクジェットは事業の中心ですが、それを軸にお客様に価値を届ける、そして社会課題の解決に貢献したいということで、皆さんと価値を一緒に届ける活動を邁進しています。お客様価値を届け、お客様に寄り添う皆様から、いろんなフィードバックをいただいていくことが本当に大事だと改めて実感しています」と述べた。

自営保守販売店部門 準優勝の(株)ジムブレーン 宮田勇太氏(左)
自営保守販売店部門 第3位の(株)レイメイ藤井 門岡富春氏(左)
エプソンと自営保守販売店表彰関係者
サービスパートナー部門準優勝の東陽システムサービス(株) 杉村健一氏(左)
サービスパートナー部門第3位の(株)タクト・マシン・サービス 中坪洋介氏(左)
エプソンとサービスパートナー表彰関係者

【本選の入賞者】(敬称略)

■エプソンのスマートチャージ自営保守販売店部門
 ▼優勝=タイガー情報機器(株)・金井淳希
 ▼準優勝=(株)ジムブレーン・宮田勇太
 ▼第3位=(株)レイメイ藤井・門岡富春

■サービスパートナー部門
 ▼優勝=(株)六甲サービスセンター・安部昇司
 ▼準優勝=東陽システムサービス(株)・杉村健一
 ▼第3位=(株)タクト・マシン・サービス・中坪洋介