キヤノンITS メインフレームと互換性の高いシステム基盤ソフトウェアを提供開始
キヤノンITソリューションズ 2024年10月28日発表
キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は、メインフレームからオープン環境へのマイグレーションツールを拡充し、自社開発した「マイグレーション用オンライン基盤ソフトウェア」(税別75万円/月~)を、10月28日より提供開始した。「マイグレーション用オンライン基盤ソフトウェア」は、メインフレームのオンライン制御機能(IBM:CICS、IMS、NEC:VISⅡ、富士通:AIM)を代替するプラットフォームであり、保守サポートを含むサブスクリプションにて提供することで、顧客システムのモダナイゼーションに向けた取り組みを支援する。
1960年代から1980年代にかけて、メインフレームは企業や政府機関の基幹業務システムとして広く採用されたが、長年にわたり使用されてきたことによりシステムが老朽化および複雑化していることや、メインフレームを扱える技術者の減少により、将来的な運用保守の対応がユーザー企業の課題となっている。また、メインフレームには高額な運用コストがかかるため、オープンプラットフォームの活用によるコスト削減と柔軟性の確保を指向する企業が増えている。
「マイグレーション用オンライン基盤ソフトウェア」により、メインフレームのオンラインプログラムに大きく手を加えることなく、オープン環境でオンライン処理を実現できる。
●オンライン実行制御のエミュレート
オンラインプログラムの多重実行制御や端末IDの管理など、現行メインフレームのシステム定義に基づく挙動をエミュレートする。
●最小限のアプリケーション修正
従来のインターフェースのままで機能を実装することで、既存の開発スキルの活用や開発生産性を維持できる。また、アプリケーション移行時の変換リスクも最小限に抑える。
●柔軟なカスタマイズ性
顧客固有の要望に柔軟かつ迅速に対応できるよう設計しており、パフォーマンスの最適化や拡張性など、顧客のニーズに合わせたカスタマイズが可能である。
●エンドユーザーへの教育工数を削減
従来の端末エミュレータの操作性を再現できるため、エンドユーザーに対し移行後の操作説明などの対応が不要となり、移行後の教育工数を削減できる。
●サポート窓口による安心サポート
キヤノンITSが提供する保守サービスにより、本番環境への移行後も最新OSへの対応など顧客のシステム運用をサポートする。
キヤノンITSは引き続き、顧客のIBM製/NEC製/富士通製のメインフレームからオープン環境へのマイグレーションを支援するとともに、マイグレーションツールの機能拡充を進める。またRAG(Retrieval Augmented Generation)を用いた生成AIによる生産性および品質向上、課題解決の迅速化、マイグレーションの知見を持たない技術者へのスキル補完を実施するなど、キヤノンITSが保有するマイグレーションのノウハウを活かし、顧客システムのモダナイゼーションを加速させていく。