JEITA デザインの力による地域課題解決に向けて静岡県三島市とパートナーシップを締結

JEITA/静岡県三島市 2024年10月7日発表


 一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)のデザイン部会は、静岡県三島市と「デザインエコシステム形成プロジェクト」の実現に向けたパートナーシップを締結したと、10月7日に発表した。
 デザイン部会が地方自治体と共同の事業を実施するのは今回が初めてで、JEITAが事業指針として掲げる「Society 5.0の推進」に基づき、企業の持つデザイン資源を地域に還元し、課題解決に向けた産官民のエコシステムを形成することで、持続可能な自治体運営と地域の産業発展の両立をデザインの力で実現することを目指す。

 デザインエコシステム形成プロジェクトは、デザイン部会に所属するインハウスデザイナーがサポーターとなり、地域の関係者が共通で抱くありたい未来像を可視化し、これまで気が付かなかった地域の魅力や解決したい社会課題を明確にすることで、産官民のパートナーシップをより一層強化していくことを目指す、新たな事業である。これまで、企業に所属していたインハウスデザイナーは、所属企業の製品やサービスの充実に向けて活動してきたが、デザイナーが持つ素養であるユーザーへの共感から生まれる本質的課題解決手法と、目指したい姿の可視化という強みは、街づくりの場においても活用できると考え、デザイン部会では、デザインエコシステムの形成について検討してきた。
 一方、静岡県三島市は、“せせらぎと緑と 活力あふれる 幸せ実感都市・三島”を将来都市像として、移住定住の促進や子育てしやすい街づくりに取り組んでいるが、ライフスタイルが多様化する中で、必要な対象に情報を届けかつニーズに対応するためには、市民と市職員の効果的なコミュニケーションをデザインする必要性が高まっている。当該課題を解決するためには、多様なステークホルダーを巻き込み、トライ&エラーを繰り返しながら解決案を改善できる場が必要である。市民への共感を通して見つけた課題を可視化・共有し、あらゆる市民が参画できる持続可能な課題解決モデルの構築を企図して、デザイナーにより構成されるデザイン部会と、デザインエコシステム形成のための実証事業を共同実施する運びとなった。

 デザイン部会がこうしたデザイナーの強みを生かして、市民と市職員の間に入り、両者が本当に望む社会の在り方について、問いを通して描くことで、日本の地域の実態に沿った人間中心の街づくりの一助となることを目指す。