リコージャパン ドクターカーで双方向ライブ配信システムの緊急医療用途での運用開始
リコージャパン 2024年8月9日発表
リコージャパンは、同社が提供する、リコー製双方向ライブ配信システム「RICOH Remote Field」が、奈良県立医科大学附属病院のドクターカーに、8月より正式導入されたと、8月9日に発表した。
「RICOH Remote Field」は、360度カメラ「RICOH THETA」のリアルタイム映像を最大4Kの高画質で閲覧しながら通話することができる遠隔コミュニケーションシステムである。
これまで各地域で、「RICOH Remote Field」を活用した実証実験が行われてきたが、第三次救急医療の分野において「RICOH Remote Field」が正式導入されるのは、今回が初となる。コミュニケーションの質の向上を通じ、救急医療の機能強化と医療現場の働き方改革に貢献する。
救急医療においては、比較的軽症な第1次救急医療、入院・手術が必要な患者に向けた第2次救急医療、生命に関わる対応が必要な第3次救急医療の段階が設けられている。第3次救急医療においては、ドクターカーと受け入れ先の医療機関による患者の情報共有が、最適な処置を実現するために特に重要となる。
これまでの、車両に搭載された電話を利用した音声のみでのコミュニケーションでは、十分な情報共有は難しく、情報の質および現場にかかる負担面で課題があった。
奈良県立医科大学附属病院のドクターカーは、奈良県内における第3次救急医療の大半を担っており、所有車1台の出動回数は年間で1,000件を超える。コミュニケーションの質の向上、さらには現場の状況を多くのドクターに共有することによるナレッジ蓄積や、経験が浅い若手の医師への技術継承を目的に、23年7月より「RICOH Remote Field」の実証事業を行い、実効性を検証していた。
リコージャパンでは、第三次救急医療における「RICOH Remote Field」の活用について、各自治体や医療機関と連携し、6件の医療機関にて実証実験・実証事業を進めている。8月より、奈良県立医科大学附属病院が奈良県広域消防組合と共同で運営しているドクターカーにおいて、「RICOH Remote Field」の運用が開始するが、正式な導入については、今回が初めてとなる。