NEC デジタルIDや生成AIで働き方DX強化 社員2万人にデジタル社員証を本格導入

日本電気 2024年7月10日発表


 日本電気(NEC)は、社員のエンゲージメント向上とデータドリブン経営のさらなる加速に向けて、デジタルIDや生体認証、生成AIなどの先進テクノロジーを活用した働き方DXの取り組みを強化する。この取り組みの一環として、国内のNEC社員2万人を対象に、デジタル社員証や顔認証技術による社員向けサービスをNEC本社ビル(東京都港区)にて7月から本格稼働した。

 NECでは、2025中期経営計画の目標の1つに社員のエンゲージメントスコア向上を掲げ、社員のWell-beingと成長を促す働き方変革に向けて、コーポレート・トランスフォーメーション(社内のDX)に取り組んでおり、特に働き方のDXをコーポレート・トランスフォーメーションの中核テーマの1つと位置づけている。

■今回強化する働き方DXの取り組み
(1)デジタルIDや生体認証などを活用し、社員エクスペリエンスを向上

 NECは、デジタルIDを中核にシームレスに「人とサービス、データをつなぎ」、社員の働き方を変革し、人の力の最大化することを目指している。今回導入するデジタル社員証は、マイクロソフトが提供する分散型ID技術とNECの生体認証技術を組み合わせた次世代の社員証として、社員の日々の体験、働き方を大きく変えていく。
 従来のプラスチックカードの社員証を持たずとも、顔認証で勤務管理システムと連携した本社ビルの入退場や売店などでの購買決済、オフィスでの複合機やロッカーなどの様々なサービスが利用可能となった。今後、デジタル社員証と連携した様々な社員向けサービスを他の事業拠点にも順次展開し、社員向けスマートフォン専用アプリも継続的に拡充していく。
 さらに、社外サービスとの連携も強化し、その第1弾として、障がい者が活用する『デジタル障害者手帳「ミライロID」』との連携を開始する予定である。

(2)経営層から社員まで同じデータを活用し、経営とマネジメントを高度化
 NECは、経営とマネジメントの質のさらなる高度化に向けて、全社的なデータドリブンな働き方を推進している。全社のプロセスとデータを標準化した上で、「財務」「人事」「IT」などの10領域92種類にわたる経営情報を「経営ダッシュボード」として可視化し、経営層から一般社員までの全社員が同じデータに触れ、ファクトに向きあい、分析・経営判断・意思決定などのアクションの実行につなげている。

(3)あらゆる業務にAIを浸透させ、圧倒的な生産性の向上
 NECは、生成AIを社内のあらゆる領域へ浸透させ、社員の働き方を大きく変える様々な取り組みを展開している。NECでは、2023年5月からNECグループ内で安全安心に使える生成AIサービスの提供を開始し、NEC開発の生成AI「cotomi(コトミ)」だけでなくグローバルパートナーの生成AIも組み合わせて、延べ4.5万人が日々積極的に活用している。また、営業支援システムなど社内167のシステムとも連携しており、継続してシステム連携や機能の拡充を進めている。
 NECグループでのAIカルチャーの醸成を加速するための社員が作成したアプリやプロンプトなどのアイデアや活用ノウハウを共有するポータルや、優れた活用事例の表彰イベントなども行っている。

 NECは、自社をゼロ番目のクライアントとして最先端のテクノロジーを実践する「クライアントゼロ」のもとで蓄積した実績・ノウハウを活かし、価値創造モデル「BluStellar」として顧客向けに順次提供していく。