コニカミノルタジャパン 「tomoLinks」で提供 教育現場に密着した対話型生成AI機能を開発
大阪市教育委員会と連携協定を締結、9月より大阪市立小中学校の一部で先行利用開始
コニカミノルタジャパン 2024年5月7日発表
コニカミノルタジャパンは、学校教育向けソリューション「tomoLinks(トモリンクス)」において、小学校及び中学校の教育を対象に、学習指導要領や教材の内容など、学校教育に関連する事項を活用した、子どもたちに親しまれる対話型生成AI機能を提供すると、5月7日に発表した。tomoLinksでは、自治体や学校が保有する学力調査データや教育関連のビッグデータをもとに、一人ひとりの成績の経年変化や得意・不得意な単元を分析する。その分析結果に基づき、子どもの特性に合わせた対話を行うことで、個別最適な学びの提供を支援する。
本機能の展開にあたり、大阪市教育委員会と開発を担うコニカミノルタ、コニカミノルタジャパンは教育データ利活用に関する取り組みを踏まえ分析を行い、教育行政に資する相互の連携及び協力に関する協定を締結し、9月より、大阪市立小中学校の一部で先行利用を開始する。本機能や大阪市との取り組みの詳細は、5月8日から10日まで東京ビッグサイトで開催している「EDIX東京2024」にて展示説明している。
●自治体や学校に特化した対話型生成AI機能の提供
教育現場では、学習や日常生活での情報技術の活用を目的にChatGPTを含む対話型生成AIの導入が進められている。しかし、対話型生成AIは、インターネット上に存在する情報をもとに回答を生成する仕組みのため、学校教育には不向きな情報が提供されるなどの課題が多く指摘されている。このような課題を解決するため、コニカミノルタジャパンは、教材や学習指導要領などのデータを設定した対話型生成AI機能を新たに提供する。これにより、有害なキーワードや不適切な回答を子どもたちに提供するリスクを避け、学校教育で安心して対話型生成AIを活用することができる。
また、自治体や学校が保有する学力調査データや、ドリルの取り組み状況などを組み合わせたマルチモーダルAI機能を用い、子どもたちの進度に合わせて対話型で学習を進められる教育データ活用基盤を開発した。今後は、動画教材の視聴情報や授業中のノート、画像など様々な種類のデータを統合し、それらの分析結果を対話型生成AIと組み合わせる計画である。これにより、一人ひとりに寄り添った学びを提供することに貢献する。
●親しみやすい対話型生成AI機能による学習意欲の向上
子どもたちが安心して利用できるよう、親しみやすいキャラクターを模した対話型生成AI機能を通じ、質問や意見、困っていることを気軽に入力できる環境を提供する。これらのキャラクターは、自治体や学校によって設定することができる。親しみやすい対話型生成AI機能により、子どもたちの状況や興味関心を引き出すことで、健やかな学習と生活を支援する。
【大阪市、コニカミノルタ及びコニカミノルタジャパンの連携協定の内容について】
《目的》
大阪市、コニカミノルタ及びコニカミノルタジャパンが相互に緊密な連携を図ることにより、双方の資源を有効に活用した協働による活動を推進し、AI等を活用した児童生徒の多様な学び等の可能性を探ることを目的とする。
《連携事項》
(1) AI等を活用した児童生徒の多様な学び等の可能性に係る調査研究に関すること
(2) その他双方が必要と認める事項に関すること
【大阪市での取り組みについて】
コニカミノルタとコニカミノルタジャパンは、9月から大阪市立小中学校の一部で「tomoLinks」の対話型生成AI機能を先行導入する予定である。この対話型生成AIが教員のアシスタントとして機能することにより、教員の負担を軽減し、子どもたち一人ひとりに合った学習を支援する。
なお、コニカミノルタとコニカミノルタジャパンは、2023年に大阪市立の全小中学校を対象に過去4年間の小学3年生から中学3年生までの学力調査データを分析した。今回の実証導入にあたっては、この分析で培った経験も活かしていく。