リコー ERS GenomicsとCRISPR/Cas9ゲノム編集技術に関する非独占的ライセンス契約を締結

リコー 2024年3月13日発表


 リコーは、ERS Genomics Limited(本社=アイルランド ダブリン、以下 ERS)と、ERSが管理するCRISPR/Cas9ゲノム編集技術特許に関する、日本と米国における非独占的ライセンス契約を締結したと、3月13日に発表した。

 CRISPR/Cas9ゲノム編集技術は、狙ったゲノム配列を簡単に改変できる革新的な技術で、幅広い分野で利用されている、創薬研究に欠かせないゲノム編集ツールである。
 リコーは、2022年にエリクサジェン・サイエンティフィック(本社=米国メリーランド州ボルチモア、以下 eSci社)を子会社化した。eSci社は、コア技術としてiPS細胞の高速かつ高効率な高速分化誘導技術とmRNAの設計・製造・管理技術を有している。
 今回、これらのコア技術とCRISPR/Cas9ゲノム編集技術を掛け合わせることで、さまざまな遺伝的背景の患者に対する候補薬の作用機序の予測や、より迅速で効率的なmRNAの設計を目指す。これにより、希少疾患も含めた信頼性の高い疾患モデル(特定の機能を向上させたり、低下させたりした細胞の作製等)の構築が可能になり、創薬開発期間の短縮や成功確率の向上につながることが期待される。

 リコーは、これまで培ってきたデジタル化技術やAI(人工知能)技術により、eSci社のコア技術の活用領域を拡大し、個別化医療や創薬・再生医療研究の加速を進めている。今後も、リコーはeSci社を通じ、創薬の現場におけるさまざまな課題を解決することで、創薬研究開発の加速に貢献していく。
 住友商事のライフサイエンス領域に係る中核事業会社である住商ファーマインターナショナルは、ERS Genomicsの日本総代理店を務めている。