エプソン 関東地方発明表彰「長野県知事賞」を2年連続受賞

セイコーエプソン 2023年11月30日発表


エプソン 関東地方発明表彰「長野県知事賞」を2年連続受賞
「長野県知事賞」受賞者の(左から)澁谷宗裕氏、舟川剛夫氏、永坂栄一氏

 セイコーエプソン(以下 エプソン)は、このたび令和5年度関東地方発明表彰(主催:公益社団法人発明協会)において、「シリコンがんぎ車を用いた機械式時計(特許第6891622号)」の発明が「長野県知事賞」を受賞したと、11月30日に発表した。エプソンの関東地方発明表彰における同賞の受賞は、昨年度に続いて2年連続となる。
 表彰式は、11月29日にホテルアソシア静岡(静岡県静岡市)で行われた。

 大正10年に始まった地方発明表彰は、全国を8ブロック(北海道・東北・関東・中部・近畿・中国・四国・九州)に分け、各地域において優れた発明、考案または意匠を生み出した技術者・研究開発者を顕彰する制度である。

 今回「長野県知事賞」を受賞した発明は、ぜんまいがほどけるトルクをエネルギー源として時分針を運針する機械式時計において、時間精度や駆動時間に影響する重要部品である「がんぎ車」に、エプソンとして初めてシリコン材料を採用したものである。
 「シリコンがんぎ車」を、金属製の中心軸と軽量なシリコン材料からなる回転部材とで構成し、回転部材は、中心軸に対して回転ずれなくかつ偏心することなくはめ合わせできるように、シリコンのしなる特性を利用したバネ性を有する微細で複雑な形状に加工した。この加工には、エプソンのプリントヘッドの製造にも使用される超微細加工技術を用いた。
 機械式時計に「シリコンがんぎ車」を搭載したことにより、エネルギー効率が向上し、時間精度を保ちながら駆動時間を最大70時間まで延長(従来の金属製がんぎ車搭載の場合と比べて最大20時間延長)することができた。

【受賞および受賞者】
《長野県知事賞》
・澁谷 宗裕氏 セイコーエプソン株式会社 マイクロデバイス事業部 TD技術部
・舟川 剛夫氏 セイコーエプソン株式会社 技術開発本部 プロセス技術開発部
・永坂 栄一氏 セイコーエプソン株式会社 ウエアラブル機器事業部 WP設計技術部

シリコンがんぎ車
「シリコンがんぎ車」が搭載された「オリエント」

 「長野県知事賞」を受賞した発明は、「オリエントスター」のスケルトン機種に搭載されている。
  スケルトン文字板から心臓が鼓動するように回転する姿を見せるシリコンがんぎ車は、天の川銀河をイメージした鮮やかなブルーの渦形状で形作られている。