キヤノンITS 画像処理による異常監視システムを発売 映像差分解析で監視精度向上
OAライフキヤノンITソリューションズ 2023年10月30日発表
キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は、製造現場や倉庫などでの設備異常監視コスト低減と精度向上を実現する「ANOMALY WATCHER」を、11月1日より販売開始した。設置環境や発生する事象に応じた試行に対応するモニターライセンスの提供も併せて開始した。価格は、モニターライセンスが税別7万6,000円〜、永続ライセンスが税別70万円。
製造業における生産や製品評価工程においては、想定外のトラブルに起因して、発煙や発火/液漏れなどが発生してしまうことで多大な損害に繋がることがあるため、監視の仕組みが不可欠である。設備の稼働環境によっては24時間体制での対応が求められるケースもあり、目視監視にともなう要員確保や配置コスト/教育コストが課題となっている。また、監視習熟度によって精度にバラつきが生じることや、長時間のモニター監視による身体的負担にも繋がることから、人手による監視の代替手段が求められている。
■「ANOMALY WATCHER」の特長
「ANOMALY WATCHER」は、ネットワークカメラを活用しリアルタイム映像と正常時との差分を画像処理によって検出し、即時アラートを上げる異常監視システムである。
（１）画像処理による正常時との差分比較で異常を検出
正常状態として登録した基準フレームとリアルタイム映像フレームとの特徴量の類似度を算出し、類似度の閾値設定に基づいて異常検知アラートを発報する。
（２）事前学習が不要でシンプルな設定のみで即時導入が可能
機械学習型のAI画像処理を応用したシステムと異なり、事前に異常映像を収集し学習させる手間が不要である。色味の変化や輪郭の変化など複数のパラメータの検知感度を設定するだけですぐに自動監視を始めることができる。
（３）Milestone社製ビデオ管理ソフトウエア「Milestone XProtect」との連携により、多種多様なカメラに対応
監視カメラの映像は、13,000種類以上のデバイスをサポートする「Milestone XProtect」が受信し、異常検知処理を行うとともに録画管理も行うため、通常の監視カメラシステムとしても利用可能である。
■展望
今後、キヤノンITSのAI検査プラットフォーム「Visual Insight Station」との連携によるインテリジェント検知やサーバーレス構成の追加などを計画しており、製品のさらなる機能強化を行っていく。
