日本政策投資銀行がBill Oneを導入 年間2万枚の紙の請求書と4000時間の業務を削減

Sansan 2023年8月25日発表


 Sansanは、日本政策投資銀行(DBJ)がインボイス管理サービス「Bill One」を導入したと、8月25日に発表した。
 DBJは、第5次中期経営計画の基本方針として「デジタル化を活用した業務の高度化」を掲げ、経理部門をはじめとするさまざまな業務効率化に取り組んでいる。DBJは、Bill Oneを活用することで、請求書をデジタル化し、業務効率化およびインボイス制度や電子帳簿保存法への対応を推進する。

 Bill Oneは、郵送で届く紙の請求書やメールに添付されるPDFの請求書など、あらゆる請求書をオンラインで受領・データ化し、月次決算の加速を後押しするインボイス管理サービスである。電子帳簿保存法に対応している現在の機能に加え、2023年10月から開始されるインボイス制度にも対応できるよう新たな機能の開発を進めている。

■Bill One導入の背景
 DBJでは、年間約2万枚の紙の請求書を受領している。請求書情報を経費精算の管理システムへ手入力し目視で確認するなどの作業が年間4000時間発生しており、リモートワークの阻害要因となっていた。また、改正電子帳簿保存法やインボイス制度など新たな法制度への対応のために、今後さらに担当者の工数が増える懸念があり、抜本的な業務フローの見直しが求められていた。
 そこで、経理業務をデジタル化して、業務効率化とインボイス制度や電子帳簿保存法のような法改正対応を同時に実現できるサービスを検討するなかで、インボイス管理サービス「Bill One」を導入した。

■Bill Oneを導入した理由
・生産性向上と働き方改革を推進
 DBJは、業務効率化や法制度対応を念頭に、クラウドシステムの導入を検討していた。特に紙の請求書を多く受領しているDBJでは、紙の請求書であっても代理受領し、一元管理ができるシステムを求めていた。
 Bill Oneでは、紙の請求書であってもBill Oneセンターが代理受領し、データ化できる。そのため、紙や電子問わずさまざまな形式で届く請求書を、オンラインで一元管理することができる。これまで発生していた請求書の受け取り・振り分け業務は不要となるため、社員の生産性向上や働き方改革を推進できる。

・データ化精度とセキュリティ対策への評価
 DBJでは、多くの請求書を受領することから請求書情報のデータ化に高い正確性を求めるとともに、金融業界の特性上、高いセキュリティレベルを求めている。
 Bill Oneは、AI OCRと入力オペレーターを掛け合わせたデータ化技術を活用しており、99.9%の精度で請求書をデータ化できる。また、金融機関への導入実績も豊富であり、DBJが求める高いセキュリティ基準もクリアしている。

・インボイス制度や電子帳簿保存法への対応
 Bill Oneは、2022年1月に改正された電子帳簿保存法に対応しており、加えて2023年10月に導入されるインボイス制度にも対応できるように機能開発を進めている。Bill Oneを導入することで、現在の請求書業務を効率化するだけにとどまらず、将来的な法改正への対応と法改正に伴い発生する担当者の作業負担を低減する。