OKI 電子機器・部品のPFAS含有量調査・分析サービス開始
OKI/OKIエンジニアリング 2023年7月11日発表
OKIグループで信頼性評価と環境保全の技術サービスを展開するOKIエンジニアリング(OEG)は、電子機器・部品を対象とした「PFAS含有量調査・分析サービス」を7月12日から開始し、2023年度に5,000万円の売り上げを目指すと、7月11日に発表した。
PFAS(ピーファス)は、人工的に作られた有機フッ素化合物の総称で、4,500種類以上あると言われている。一般的に耐熱性、難燃性、電気絶縁性、撥水・撥油性、潤滑性、耐薬品性が高まる性質が得られることから、電線被覆材、プリント基板、コーティング剤、液晶材料などに幅広く利用されている。しかし近年の研究で、その一部が発がん性、生殖毒性(胎児への影響)、内分泌かく乱性などの毒性を持つことが指摘され、各国で規制が強化されている。
この動きにともない、企業は製品中のPFAS含有量を把握する必要があるが、規制対象の物質数は数千以上にもおよび、部品・材料調達先からの含有量情報の収集にかかる負担が大きくなっている。また、サプライチェーンのグローバル化・複雑化により含有量情報の入手が困難な場合があるため、対象部品を直接分析し、含有量を測定することが必要なケースも出てきている。
OEGは、電子機器・部品を製造する顧客が製品に組み込む部品・材料のPFAS含有量を、顧客に代わって代理店や部品メーカーに調査し、顧客指定フォーマット、もしくはchemSHERPAフォーマット形式で回答する「PFAS含有量調査サービス」と、製造中止部品や海外メーカー部品など、部品メーカーから含有量の回答が得られない場合に、化学分析により対象部品の含有量を測定する「PFAS含有量分析サービス」をワンストップで提供する。「PFAS含有量分析サービス」においては、規制対象となっているPFASのうち15種類について含有量を測定する。従来から採用していた液体クロマトグラフィー分析法(LC-MS法)に加え、新たに液体質量クロマトグラフィー分析法(LC-MS/MS法)を導入し、妨害物質の存在などによりLC-MS法では分析が困難であったサンプルでも分析を可能とした。