サイボウズ 三島市教育委員会がkintoneを採用し校務をデジタル化
サイボウズ 2023年5月26日発表
サイボウズは、静岡県三島市教育委員会がkintone(キントーン)を採用したと、5月26日に発表した。今回の導入においては、三島市教育委員会のkintoneのユーザーアカウントが、三島市内の全公立小中学校21校の全教員に配布され、各学校の校務や、教育委員会と各学校間の業務に活用される。
■導入の背景
今回の導入は、学校BPR(Business Process Re-engineeringの略。学校の働き方改革)を目的とした、経済産業省による採択事業「未来の教室」において、サイボウズが2021年7月から2022年2月間に実施した、三島市内の公立小中学校および三島市教育委員会での実証事業を経ての本格導入となる。
この実証事業では、三島市内の各公立小中学校が三島市教育委員会に校舎の修繕依頼をkintoneで完結できるようにシステムを構築した。
従来は、各学校の教員が表計算フォーマットを利用して修繕依頼をしてきたが、kintoneのアプリ上で依頼登録できるようにしたところ、学校側の依頼作業時間が1件につき15分程度短縮された。令和4年度の三島市内の公立小中学校の修繕依頼件数975件に対し、依頼作業時間が全体で約244時間削減されたと見ている。また、修繕依頼の記入漏れ、それにまつわる問い合わせ業務などが削減されたことで、業務の効率と質が大いに向上した。
この実証事業の結果を踏まえ、サイボウズと三島市教育委員会で、学校BPR実証事業を実施し、三島市内の公立小中学校21校分の生徒の問題行動報告や、水道検診業務、備品の管理等にもkintoneを活用したところ、同様に業務が効率化されたため、今回の本格導入につながった。
■活用概要
今回の本格導入では、三島市教育委員会がkintoneを導入し、教育委員会職員および、三島市の全公立小中学校21校の全教員にアカウントが配布され、校務に活用される。
具体的には、生徒の家族構成や連絡先、通学路などを記入する家庭環境調査票や、心身の健康状態を記入する保健調査票等の調査票、各種問診票(心臓健診問診票、結核健康診断問診票、脊椎及び四肢問診票)、タブレット使用同意書等の受付・管理にkintoneが活用されるようになる。これまで、家庭環境調査票と保健調査票、各種問診票、タブレット使用同意書は、新一年生の保護者が用紙に記入して学校に提出し、学校は受け取った用紙をファイルなどで物理的に保管していた。kintoneの導入により、保護者は外部連携サービスを通じて、PC、タブレットやスマートフォン等での記入・提出が可能になり、学校はkintone上で受付・管理できるようになる。
■kintone導入による効果
家庭環境調査票、保健調査票、各種問診票、タブレット使用同意書をkintoneで管理することで紙が不要になり、三島市内の公立小中学校全体で、年間約1万枚以上のペーパーレス効果と書類の印刷に要する84時間程度の時間削減が想定される。
家庭環境調査票については、保護者から提出された紙の情報を教員が校務システムへ転記する作業が必要だったが、kintoneにデータが集約されることで、この作業が不要になり、三島市内の公立小中学校全体で、約450時間の作業時間が削減されることになる。
現場の教職員からは、「紙からデータになったことで、検索機能を使って必要な情報を集めやすくなった」「書類の破損や紛失のおそれがなくなった」「ファイリングに気を配ることが不要になり、保健室などの保管場所まで足を運ばず、PC等からアクセスができる」などの声が寄せられている。三島市教育委員会および三島市内の公立小中学校では、今後もkintoneの用途を広げ、校務のデジタル化を推進していく予定である。