エプソン 東北大学発スタートアップ『エーアイシルク』へ出資 高機能な導電性繊維を開発・製造
セイコーエプソン/エプソンクロスインベストメント 2023年5月15日発表
セイコーエプソン(以下 エプソン)およびエプソンクロスインベストメントは、両社の出資するEP-GB投資事業有限責任組合を通じて、高機能な導電性繊維「LEAD SKIN」を開発・製造する東北大学発スタートアップのエーアイシルク株式会社に対して、このほど出資したと、5月15日に発表した。
これまで、生体センシングやEMSなどの用途で車載部品用や各種ウエアラブル機器用素材として使われている導電性繊維は、導電抵抗の影響によるセンシング精度や、肌触り・変質(サビ)といった快適性・安全性、製造コストや耐久性などに課題があった。
エーアイシルクが開発・製造する高機能な導電性繊維「LEAD SKIN」は、こうした課題を解決し、シルクやポリエステル、不織布、スエードなど、さまざまな素材の導電化に成功した。これは、東北大学で発明された技術をもとに、独自の導電性高分子塗布技術を取り入れて製造方法を大幅に改良したことにより実現したものである。この技術によって、導電抵抗の低減によるセンシング精度の向上や、肌触り・着心地といった快適性・耐久性の向上、製造コストの低減化も実現している。
エーアイシルクでは、今回の第三者割当増資を通じて、「LEAD SKIN」の量産拡大を図るとともに、海外展開を進め、国内外で需要が高まっている車載部品用素材やEMS製品など各種ウエアラブル機器用素材として販売するとともに、メディカル領域への拡販も視野に入れている。
エプソンは、多様なライフスタイルを選択でき、心と身体の健康に基づく彩のある暮らしの実現を目指している。さまざまな生活シーンで生体情報を取得、新たな価値に転換していくためのインターフェイス技術として「LEAD SKIN」を評価し、今回の投資を実行した。