JEITA Green x Digitalコンソーシアムが異なるソリューション間でのCO2データ連携の技術実証に成功

 (一社)電子情報技術産業協会(JEITA)が事務局を務めるGreen x Digitalコンソーシアムは、サプライチェーンCO2排出量見える化に向けた第一段階として、異なるソリューション間でのCO2排出量データ連携の技術的な実証実験に成功したと、2月15日に発表した。本実証実験は、日本ではこれまで実例がない初めての試みで、サプライチェーンCO2排出量の見える化の実現に向けて大きく前進した。

 今回は、データ連携に向けた技術実証「フェーズ1」として、2022年9月〜2023年1月にかけてソリューション提供企業15社が参加し、実施した。具体的には、グローバルでのデータ連携を見据え、先行する国際的な枠組みであるWBCSD Partnership for Carbon Transparency(PACT)のPathfinder Networkにて提示されているデータフォーマットとAPI(接続方式)を用いて、製品の仮想サプライチェーン上で複数ソリューション間のデータ連携を検証した。
 「フェーズ1」の成果として、サプライチェーンの各企業が異なるソリューションを活用した場合においても、共通的な仕様のもとでデータ連携できることを技術的に確認することができた。
 これにより、ユーザー企業においてはソリューション導入時の選択の幅が広がり、またソリューションを提供する企業においても他社との個別調整が不要となり、開発の効率化が期待される。ソリューションを活用したサプライチェーンCO2排出量の見える化の実現に近づく成果となった。

 今後は、次のステップとして、ユーザー企業も加わり、CO2算定実務も含めた検証を行う「フェーズ2」を6月末までに完了することを目指している。一連の実証実験を通じて、Green x Digitalコンソーシアムの見える化WG(ワーキンググループ)が策定した「CO2可視化フレームワーク」と「データ連携のための技術仕様」をブラッシュアップし、企業間データ連携のユースケースとして、国内外の産業界との連携や官民協力を深めていく。