エプソン ドライファイバーテクノロジーでコットン端材を原料に新包装材を実用化
セイコーエプソン(以下 エプソン)は、循環型経済の実現を目指して、エプソン独自のドライファイバーテクノロジーを応用し、コットン衣類の縫製過程で発生する端材を原料としてアップサイクルした新たな包装材を実用化したと、12月6日に発表した。この包装材は、2022年内にエプソンが販売する一部のウオッチ商品から採用していく。
繊維・アパレル業界では、衣類を縫製する工程で大量の繊維端材や繊維くずが発生しており、その端材の利用が課題となっていた。また、世界的にプラスチックの使用量を削減する動きが進む中で、梱包材・包装材などについても自然由来の材料への置き換えも進んでいる。
そこで、エプソンは、ドライファイバーテクノロジーを応用し、コットン衣類の縫製過程で発生した端材をアップサイクルした新たな包装材を実用化した。
ドライファイバーテクノロジーは、エプソン独自の技術で、古紙をはじめとするさまざまな繊維素材について、用途に合わせた繊維化、機能性材料との結合、成形を行うことで高機能化を実現している。使用済みの紙から新たな紙を作る「PaperLab」をすでに製品化し、さらに大型製造装置により、インクジェットプリンター用インク吸収材、吸音材、エプソン製品の緩衝材などの生産を行っている。
今回、新たに繊維業界の企業からコットン端材を原料として購入し、エプソン諏訪南事業所にある製造装置を活用、10月より新しい包装材の生産を開始した。まずは2022年内にエプソンが販売する一部のウオッチ商品でこの包装材を採用する。来年度以降には、状況を見ながら対象商品を拡大していく予定である。