エプソン 世界28の国と地域で2回目の気候変動に関する意識調査を実施
セイコーエプソン(以下 エプソン)は、11月7日からエジプトで開催される「第27回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP27)」の開催を約1か月後に控え、第2回目となる人々の気候変動に対する独自の意識調査「Climate Reality Barometer」を実施したと、10月4日に発表した。その結果によると、世界中の人々が気候変動を回避するために、各々の取り組みを実施していることがわかった。また、経済的な諸問題が起こっている中であっても、多くの人々にとって気候変動は依然として重要な懸念事項ということを示している。
調査結果の概要は、以下の通り。
■世界の喫緊の課題:「災害を回避できると思う」人の割合
「世界の喫緊の課題は何だと思いますか?」という質問に対し、「経済の立て直し」(22%)と「物価の高騰」(21%)が上位の回答となったが、僅差で「気候変動」(20%)が3位であった。世界的な景気後退、紛争、エネルギー価格の高騰にも関わらず、気候変動の危機は多くの人々にとって懸念される課題である。
昨年行われた調査結果では、46%が「自分は気候変動による災害を回避できると思う」という回答結果だったが、本年は48%だった。調査結果を掘り下げてみると、地域によって意識に差があり、G7国では新興国に比べて「災害を回避できる」と答えた人の割合が下がっている。
•G7国は、全ての国において、世界平均の48%を大幅に下回る結果が出ている。
カナダ(36.6%)、フランス(22.5%)、ドイツ(23.8%)、イタリア(25.2%)、日本(10.4%)、英国(28.4%)、米国(39.4%)
•以下の新興国では、「災害を回避できると思う」と答えた人々の割合は世界平均を大幅に上回った。
中国(76.2%)、インド(78.3%)、インドネシア(62.6%)、ケニア(76%)、メキシコ(66%)、フィリピン(71.9%)など
また調査結果からは、年代によって関心の度合いが異なり、シニア層と若年層が気候変動に最も関心を持っていることを示している。55歳以上は「気候変動が最も喫緊の課題である」が1位にあがっており(22.2%)、16歳から24歳では2位にランクインしていた(19.3%)。他の全ての年代においては、3位にランク付けされている。
■人々の意識と行動の変容
エプソンの調査結果では、気候変動に関して意識を向けるきっかけとなり、最も影響を受けた要因として、10人中8人以上(80.2%)が、日常生活の中で自分が目の当たりにした出来事に影響を受けた、と回答している。その他の要因としては、次の項目があげられている。
•80.2% 日常生活で自分が目の当たりにした出来事
•75.7% 政府の方針やキャンペーン
•75% オンライン・オフラインのニュース報道
•74.2% ソーシャルメディア
•64.8% ビジネスや地域コミュニティの方針
•64% COP会議
2021年から2022年にかけて、次のことを行っている、または行おうとしている回答者の結果である。
•徒歩や自転車で移動する頻度を増やしている、増やそうと思っている 83.7%が87.2%へ増加(31.8%は1年以上継続している)
•再生可能エネルギーへ移行している、しようと思っている 78.2%から82.4%へ増加(18.6%は1年以上継続している)
•海外出張やレジャー旅行を減らす、減らそうと思っている 65.1%から68.2%に増加(23%は1年以上継続している)
•電気自動車へ切り替えている、切り替えようと思っている 68%から72.7%へ増加(10.6%は1年以上継続している)
•植物性中心の食事に切り替える、切り替えようと思っている 67.6%から68.9%に増加(16.5%は1年以上継続)
個々の取り組みは増えているものの、さらに多くの対策を実施する必要がある。
【調査概要と回答者の属性】
《調査期間》2022年7月29日〜8月4日
《調査方法》インターネット調査(それぞれの国・地域に適した言語で実施)
《調査対象》世界28の国・地域に住む16歳以上の人
〈北米・南米〉アメリカ、カナダ、ブラジル、チリ、メキシコ
〈欧州〉イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、トルコ
〈アジア・オセアニア〉オーストラリア、中国、インド、インドネシア、日本、マレーシア、フィリピン、シンガポール、韓国、台湾、タイ、ベトナム
〈中東・アフリカ〉エジプト、ケニア、モロッコ、サウジアラビア、南アフリカ
《調査人数》26,205人
中国=2,000 人
オーストラリア・カナダ・シンガポール・台湾=500人
その他の各国=1,000人で調査対象者数を設定