長野県松本市とエプソンが包括連携協定を締結

 長野県松本市とセイコーエプソン(以下 エプソン)は、相互に連携・協力し、循環型社会の実現と豊かな社会の創造、地域の活性化など共通した社会課題に共に取り組むため、9月20日に包括連携協定を締結したと、同日発表した。

 松本市は、基本構想2030の基本理念に、三ガク都(岳都・楽都・学都)に象徴される松本らしさの「シンカ」を掲げ、人と自然や都市との関係をつなぎ直し、松本の地域特性を最大限に活かした循環型社会を実現することにより、一人ひとりが豊かさと幸せを実感できるまちを目指す中、第11次基本計画では、“ゼロカーボン”・“DX・デジタル化”の2つを重点戦略に位置付け、さまざまな政策を進めている。
 エプソンは、プリンティング・プロジェクションなどの技術を強みに、長期ビジョン「Epson 25 Renewed」で掲げたビジョン「省・小・精の技術とデジタル技術で、人・モノ・情報がつながる、持続可能でこころ豊かな社会を共創する」の実現に向け、重点項目である“環境・共創・DX”へ取り組みを進め、社会のニーズに寄り添い続けるソリューションを提供することを目指している。
 このように、松本市の政策とエプソンの戦略の方向性は、環境やDX・デジタルなどを軸に、循環型社会の実現、豊かな社会の創造を目指していることなど共通性が高いことから、両者で包括連携協定を結び、双方の資産を生かして共創していくことで、目指す姿に向けた取り組みを加速する。

【連携協定の目的】
持続可能な循環型社会の実現 豊かな社会の創造 地域の活性化
 松本市とエプソンは、人と自然や都市との関係をつなぎ直し、松本の地域特性を最大限に活かした、持続可能でこころの豊かさを感じる社会を実現することを目指す。
 さらに、
・松本市は、エプソンの有する人材・技術を活かして、重点戦略であるゼロカーボン、DX・デジタル化の取組みを加速するとともに、行政サービスや教育の質の向上等を目指す。
・エプソンは、松本市との取り組みを通じて社会課題をさらに掘り下げ、実証実験などを通じて解決に向けた知見の蓄積を図り、行政との共創モデルを構築する。また、地域の魅力の向上による、従業員エンゲージメントの向上や人材の確保を図る。

【具体的な取り組み】
(1) 脱炭素社会の実現
 資源の地域循環モデルを確立し、産官学民一体となった脱炭素コミュニティーの実現を目指す。エプソンのドライファイバーテクノロジーによる、紙を始めとしたアップサイクルの浸透に取り組む。また、行政事務におけるペーパーレス化、印刷の最適化に取り組み、行政文書の電子化、デジタル化の推進を図る。
(2) 地域文化・観光の振興
 魅せるテクノロジーで豊かな文化資源の魅力を最大化し、まちの賑わいを創出する。また、リモート技術の活用により、誰もが生涯にわたり気軽に文化・芸術やスポーツを楽しみ、いきいきと活躍できる環境をつくる。
(3) デジタル技術を活用した教育の質向上への寄与
 ICT利活用を促進し、学びあいの進化・深化を育む教育環境づくりを行う。アセスメントを基にICT機器利活用について授業支援体制の充実化を図るとともに、教職員の負担軽減など、学校現場における課題の共有と解決策についても検討していく。
(4) デジタル市役所への変革や情報共有の高度化を通じた住民サービスの向上
 離れたオフィス間においても対面と遜色のない臨場感溢れる遠隔会議や、市民の利便性を向上し、円滑なコミュニケーションを可能にするオンライン相談など、時間や場所の制約を超えて人とまちをつなぐ、「デジタルシティ・松本」の実現を目指す。
(5) 働き盛り世代の移住・定住促進
 ICT活用による、One to Oneでのきめ細やかな仕事、生活環境の情報提供と、移住者へのサポートの強化を目指す。なかでも、デジタルツインによる移住体験、テレワーク環境の整備充実により、現役・子育て世代の移住促進強化を目指す。