キヤノン 大分キヤノンマテリアルが日本水大賞経済産業大臣賞受賞
キヤノンは、地球環境の保護保全活動の取り組みの1つとして、水資源の循環による水使用量の削減や生態系維持に取り組んでいる。このたび、複写機やプリンターなどのインクカートリッジやトナーボトルなどの消耗品を製造する大分キヤノンマテリアルが、日本水大賞委員会(名誉総裁=秋篠宮皇嗣殿下)と国土交通省が主催する第24回日本水大賞において「日本水大賞 経済産業大臣賞」を受賞したと、6月15日に発表した。表彰式は、日本科学未来館(東京都江東区)で6月14日に行われた。
日本水大賞は、21世紀の日本のみならず地球全体を視野に入れ、水循環の健全化や水災害に対する安全性向上に寄与する活動を表彰する制度である。今回の受賞は、大分キヤノンマテリアルの杵築事業所において、排水完全クローズドシステムにより水使用量を削減している点に加え、水の大切さをテーマにした工場見学および環境出前授業などの教育活動、海岸や河川の清掃活動などを実施している点が高く評価された。
■大分キヤノンマテリアルの排水完全クローズドシステムについて
工場で発生した産業排水は、一般的には処理した後に下水道あるいは公共用水域など外部へ放流するが、大分キヤノンマテリアルの杵築事業所では、これらの水の全てを工場内で処理し、全量を再利用する排水完全クローズドシステムを採用している。また、産業排水にとどまらず、食堂やトイレなどで発生した生活排水も全て再利用している。
本システムを導入したことで、雨水以外の排水は一滴も外部へ放流することなく、排水による水域の汚染防止に貢献している。また、工場内で発生する水の全量を再利用することで、新たに使用する水(杵築市からの補給水)を減らすことができ、省資源にもつながっている。